ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
「勝間塾」特別セミナー報告 成人期のADHD(注意欠如・多動性障害)を考える

日本イーライリリー

「勝間塾」特別セミナー報告
成人期のADHD(注意欠如・多動性障害)を考える

著者・コラム紹介
1
nextpage

経済評論家・勝間和代氏が主宰する「勝間塾」が、特別セミナー「Know Yourself, Know ADHD~成人期のADHDについて」を開いた(2016年10月29日 東京・ベルサール神保町アネックス)。セミナーは、勝間氏と3人のパネラーによる「第1部 大人のADHD~社会における実際と課題」「第2部 大人のADHDに対する社会的な責任」の2部構成で進められた。以下、主な議論の内容をお届けしたい。

自分と周囲、ADHDとどのように付き合うか

 ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder/注意欠如・多動性障害)は、不注意や多動性、衝動性を特徴とする発達障害のこと。これまでは子ども特有のものと考えられてきたが、近年では成人期においても症状が確認され悩んでいる人も多い。

 セミナーには、約300人の受講者が参加。勝間氏をモデレーターとして、自身もADHDと診断されながらADHDの人たちへの支援活動を続ける「NPO法人えじそんくらぶ」の高山恵子代表、「NPO法人DDAC(発達障害を持つ大人の会)」の広野ゆい代表、精神科医でADHDに詳しい昭和大学の岩波明教授らのパネラーが経験や意見を交わした。

勝間和代氏
経済評論家。少子化問題、若者の雇用問題、ワークライフバランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で活躍。5年後になりたい自分になるための教育プログラム「勝間塾」を展開。

 冒頭、勝間氏は「私自身、確定診断を受けてはいないが、子どもの頃は成績表に必ず『落ち着かない』と生活評が書かれ、忘れものをするので机の中に教科書を置き放しにしていたほどだった。今でも約束をそっくり忘れることがあり、『君はADHDだね』と言われることもある。ただ、自身への認識があれば、気をつけたり工夫したりする術も考えられるし、周囲にどんなサポートをお願いすればいいかも分かってくる。まずはADHDを正しく理解することから始めましょう」と呼びかけた。

セミナー第1部
大人のADHD~社会における実際と課題
発達障害やADHDへの誤解の多さ

岩波 明氏
昭和大学医学部精神医学講座教授、昭和大学付属烏山病院院長。

 まず、岩波教授から発達障害や、ASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠如・多動性障害)の違いなどについて基礎的なレクチャーがなされた(ADHDについての詳細な情報はこちら)。

 岩波教授は、発達障害にはいくつかの誤解があり、ADHDについても医学的な概念がまだ変化するような状態にあると語った。ただ治療法がないわけではなく、ADHDをよく知り、対処行動を考えることが大事だとも。結語として、以下の3点を指摘した。

① 成人期ADHDの有病率は高く、社会生活上の機能障害、不適応は大きい
② ADHDには、うつ病、不安障害などの併存が多く、見逃されている例が多い
③ ADHDの治療には、投薬だけでなく、当事者が自分自身の行動特性を理解し、不得意な状況における対処行動を工夫することが必要

  パネラーの高山氏、広野氏は共に、ADHDとの確定診断を受け、その後、支援活動を始めた。

高山 子どもの頃から忘れものが多く、おっちょこちょいと言われてきた。大学は薬学部だったが、細かな実験をうまくやれないので『あなたは薬剤師にはむいていない』と言われたし、自分でも『そうだな』と実感していた。

 学習塾を経営した後、30代でアメリカの大学に留学した時にADHDを知り、『私はこれだ』と自覚。以来、ADHD診断のチェックリストを作ったり、発達障害のある人のカウンセリングやストレスマネジメント講座の開催に力を注いだりしてきた。

 現在は、ADHDならではの多動性を生かして年間100回の講演会で話をさせてもらっている。

勝間 「自分のせいではない」と知ることで、気持ちが楽になる。

広野 大学を卒業して最初にした仕事は秘書で、上司のスケジュール調整や大量の資料のファイリングがどうしてもうまくできず、それでも『なんとかやれる』と自分を奮い立たせていたが、本当は辛かった。

 子どもの頃は忘れものが多く、クラスでは『忘れものの女王』と先生からあだ名を付けられるほどだった。呑気にも「女王」なので誉められているのかと思ったが、誰かが忘れものをするとグループ全体に宿題が増えるルールがあって、申し訳なく思うようになり、「自分はいないほうがいいのではないか」と思い詰めるまでになった。

 ADHDを知ったのは、専業主婦として子育て真っ最中の頃。なにかを途中までやりかけては忘れ、疲れて寝てしまう。翌日は、その片付いていないところから始まるのでさらにきつくなる。夫から『一日家にいて何してるんだ』と叱られ、だんだん鬱(うつ)になっていった。鬱は治ったが、ADHDと知り、本格的に向かい合うようになった。

 ADHDは、不注意や多動性、衝動性などの特徴を持つが、これは見方によっては優れた能力かもしれないと思えるようになった。衝動的に動くのも、見方を変えればエネルギッシュなのであり、周囲との協調が取れればすごい力を発揮できるはず。

大人のためのADHD(注意欠陥・多動性障害)情報サイト

 

1
nextpage

[PR]

DOLトップへ
お問い合わせ先

日本イーライリリー

https://www.lilly.co.jp/


大人のためのADHD(注意欠陥・多動性障害)情報サイト



DOL plus

「DOL plus」

⇒バックナンバー一覧