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トランプ氏の経済政策、米金利上昇・ドル高要因=早川元日銀理事

2016年11月10日

[東京 10日 ロイター] - 元日銀理事の早川英男・富士通総研エグゼクティブ・フェローは10日、ロイターのパネル・ディカッションで、米大統領選で勝利した共和党のトランプ氏が選挙戦で言及したような大規模な財政出動に踏み切れば、米経済がほぼ完全雇用状態にある中でインフレ率が上昇すると指摘。

米連邦準備理事会(FRB)が利上げに動き、ドル高が急速に進行する可能性があるとの見解を示した。

早川氏は、トランプ氏の勝利を受けた金融市場が東京市場のリスクオフから一転し、海外市場で急速に株高・ドル高が進行したことを「驚き」と述べた。

ただ、トランプ氏が言及している法人税や所得税の減税、インフラ投資などの大規模な財政出動を考えれば「少なくとも株式市場にとってはいい政策だ。株式市場が歓迎するのは自然なこと」と語った。

そのうえで、経済が完全雇用状態にある中で大規模な財政拡大に踏み切り、保護貿易主義に走れば「国内需給がタイトになり、インフレになりやすい」とし、「それをFRBが止めようと(利上げすれば)すれば、ドル高になる」との見方を示した。

もっとも、こうした一連の経済政策は「株式市場にはとても歓迎されるが、トランプ氏に投票した米中西部のブルーカラーの人たちにとっては、不幸な結論になりかねない」とし、「本当にそうした政策を支持者は理解するのか」と、実行性に疑問を投げかけた。

また、9月に日銀が政策の軸足をそれまでの「量」から「金利」に転換し、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和(QQE)」の導入に踏み切った理由について「量の政策が限界に近づいていたことに尽きる」と断言。

導入の前提となった緩和政策の「総括的な検証」は、「リフレ派の賛成を得るための妥協の産物」と切り捨てた。

異例の長短金利操作(イールドカーブ操作、YCC)政策自体は「中期的に持続が可能の枠組み」と評価したが、「長期金利操作をどこまで厳密にできるかという問題はある。今後も試行錯誤していくしかない」と語った。

現行マイナス0.1%の短期金利については「金融界からの反発を別にしても(マイナス幅に)限界はある」と指摘。具体的には、現金保有コストとの見合いによって「キャッシュに寛容な日本であれば、マイナス0.5%がマックスではないか」との見方を示した。

(伊藤純夫 編集:田巻一彦)

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