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物価2%前提の賃金決定を、為替に「重大な関心」=黒田日銀総裁

2016年11月14日

[名古屋 14日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は14日、名古屋市内で講演し、居並ぶ企業経営者を前に日銀が目指す2%の物価上昇率を前提とした賃金決定が、日本経済や企業経営にとって重要と訴えた。世界経済や国際金融市場は不確実性が高い状況は続くとし、為替相場が日本の経済・物価に与える影響に「重大な関心」を持って動向を注視していくと語った。

<金融・財政、極めて強力な景気刺激策>

総裁は、先行きの日本経済のポイントとして、金融政策と財政政策の両面で「極めて強力な景気刺激策が行われている」ことを第一に挙げた。緩和的な金融環境の中で財政出動が行われれば「両者が相乗的な効果を発揮し、景気刺激効果がより強力になる」とし、今後は「まさに、こうしたポリシー・ミックスの効果が期待される」との認識を示した。

足元の消費者物価は依然としてマイナス圏に低迷しているが、先行きは需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりによって、2018年度ごろには2%に達する可能性が高いと指摘。

そのうえで、日本の予想物価上昇率が過去の物価に引きずられやすい要因の1つとして「賃金交渉が前年度の物価上昇率の影響を受けやすい」ことを紹介。日銀が積極的な金融緩和によって「物価上昇率は2%に向けて確実に高まっていく」と強調し、「2%という物価全体のものさしを前提とした賃金決定などの人材投資」に積極的に取り組むことが日本経済、中長期的な企業経営に重要と訴えた。

金融政策運営については「経済・物価・金融情勢を踏まえ、物価安定目標に向けたモメンタムを維持するため、必要と判断した場合には、政策の調整を行う方針」と語った。

<世界経済・金融市場の不確実性続く>

質疑では、米大統領選での共和党のトランプ氏勝利を受けた市場変動などに懸念が示され、為替相場の安定を求める声も出た。

総裁は、世界経済・国際金融市場の先行きについて「不確実性の高い状況は続く」とし、「企業や家計のコンフィデンスに悪影響が出ないか、十分に注意を払っていきたい」と回答。

為替について「ファンダメンタルズに即して安定的に推移することが望ましい。過度な変動や無秩序な動きは経済、金融の安定に好ましくない」としたうえで、「為替相場が日本の経済・物価にどういう影響を与えるかについて重大な関心を持っており、しっかりと注視していきたい」と語った。

(伊藤純夫)

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