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モラトリアム法の延長の裏で強まる
公的資金注入の観測

週刊ダイヤモンド編集部
2011年1月19日
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金融庁幹部は「単に取りうる選択肢を並べただけ」と疑惑を否定
Photo by Toshiaki Usami

 昨年末、金融庁が公表した文書に盛り込まれた一文が、金融機関の関係者のあいだで波紋を広げている。

 問題の一文とは、「改正金融機能強化法の活用の検討促進を図る」というもの。中小企業金融円滑化法、いわゆるモラトリアム法の延長決定を公表する文書の最後に、こっそり潜り込んでいたのだ。

 改正金融機能強化法とは、リーマンショックに見舞われた中小企業に資金を回す目的で、2008年に施行された法律。健全な金融機関でも予防的に公的資金を注入できるようにし、資本を厚くさせたうえで融資を促進させようという狙いがあった。

 金融機関の直近の業績は一見すると好調だ。にもかかわらず、先の一文は、「金融庁の危機感の表れ」(地方銀行幹部)であり、「傷んだ金融機関に公的資金を注入する意思を強く持っている」(メガバンク関係者)ことを示唆しているというのだ。

 背景にはモラトリアム法の副作用がある。というのも、中小企業が借入金の返済条件を変更しやすくするよう後押ししたことで、金融機関に申し込みが殺到。特別措置のおかげで今は不良債権にならずにすんでいるが、ただの先送りにすぎず、将来、一気に顕在化する危険性が高いからだ。

 公的資金の注入は、実質的に金融庁によって経営の舵を握られることを意味する。過去の例を見ればわかるように、そのことで他行との統合・合併といった再編へと背中を押されたケースは多い。

 自らの存続の危機にも発展しかねない事態に、体力が小さく傷み具合も激しいと予想される小規模金融機関を中心に、危機感を強めている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)

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