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吉田恒のデータが語る為替の法則

【2011年の相場見通し(2)】ユーロは1.1ドル&100円へ!豪ドルは20%超の急反落も!

吉田 恒
【第114回】 2011年1月19日
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 今回は、昨年暮れに書いた米ドル/円の2011年予想に続く「年間予想」第2弾として、「ユーロ・豪ドル編」について述べたいと思います(「【2011年相場見通し】米利上げ? 介入?『時代遅れのドル安・円高』は幕を下ろすか」を参照)。

 さらに、先週のユーロ急騰についても少し解説いたします。

 まず、年間予想の結論から述べると、次のようになります。

(1)ユーロについては、ユーロ安が再燃して昨年安値の1.18ドルを更新していく

(2)豪ドルについては、80円以上の割高圏を推移している中では1カ月間に20%程度の反落リスクを注意する必要がある

 それでは、このように考える根拠を説明したいと思います。

なぜ、ユーロ危機は昨年一息ついたのか?

 まずは、ユーロについてです。

 2010年は、ギリシャに端を発した欧州財政危機を受けてユーロが急落し、「ユーロ危機」と呼ばれる動きが広がった年でした。「資料1」のように、ユーロは対米ドルで一時1.2ドル割れまで急落したのです。

資料1

 ところが、昨年6月にユーロは反発に転じ、11月にかけて1.4ドルを大きく上回るまで上昇しました。これにより、欧州財政危機でユーロが急落するリスクは一巡したのでしょうか?

 それを考える前に、そもそも、なぜ昨年6月に欧州財政危機を受けたユーロ危機が一段落したのか振り返ってみましょう。

 欧州財政危機は簡単には解決できないとされながらも、ユーロ安が一巡して反発に転じたのですが、その理由をひと言で言えば、ユーロ安もユーロ売りも「行き過ぎの限界」に達したためだと思っています。

昨年5~6月は前代未聞のユーロ「売られ過ぎ」だった

 「資料2」をご覧ください。これは、ユーロ/米ドルの90日移動平均線からのカイ離率です。

資料2

 これを見ると、ユーロ/米ドルの90日移動平均線からのカイ離率は、経験的にマイナス10%が「下がり過ぎ」の限界圏と言えそうですが、まさに、このカイ離率が昨年6月にマイナス10%まで拡大していたのです。

 その意味では、「下がり過ぎ」の限界に達したために「ユーロ危機」と呼ばれたユーロ下落が一段落したということでしょう。

 次に「資料3」をご覧ください。これはユーロのポジションですが、昨年5~6月には10万枚以上の売り越しとなっていたことがわかるでしょう。それはかつてないほど売り越しが異常に拡大した状況でした。

資料3

 それまでは、たとえば2008年9月のリーマン・ショック前後に4万枚まで売り越し拡大となったのが最高だったのです。それが、昨年5~6月には10万枚以上に売り越しが拡大していたのです。

ユーロ安の行き過ぎが、最近にかけて修正されたが…

 それほど、欧州財政危機に伴う「ユーロ危機」と呼ばれたユーロ売りが前代未聞で展開されたということになりますが…

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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