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焦点:大手行決算、成長路線の頭打ち鮮明に コスト削減で利益確保へ

2016年11月14日

[東京 14日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など大手銀行グループが14日発表した2016年4―9月期決算で、日銀のマイナス金利政策や海外経済の減速により、成長路線が頭打ちになっていることが鮮明になった。

各グループは、成長を描きにくくなっている現状を踏まえ、コスト削減で最終収益を確保する戦略を打ち出し始めている。

<先行投資が成長に結びつかず>

 「3年間でトップラインを15%伸ばす計画だったが、伸ばせていない」――。三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>の宮田孝一社長は14日の決算会見で、こう苦しい胸の内を明かした。

三井住友の4―9月期の経費率は62.2%となり、16年度を最終年度とした中期経営計画で掲げた目標の50%台半ばに届かないのは確実だ。

経費率高止まりの背景は、先行投資が成長に結びついていないためだ。三井住友は、外資の国内信託子銀行などを買収したものの、粗利益増強に結び付かず、コストが膨らむ構図になっている。

現在策定中の来年度から始まる中計でも「資本効率や資産効率、経費率をきちっとコントールして、トップラインではなくボトムラインを作っていく」(宮田社長)方針だ。

<金融規制対応コストも足かせ>

海外市場で最も利益率が高い米国に、邦銀の中で多く経営資源を投入しているのが三菱UFJだ。粗利の3割を占める海外部門のうち、半分を米国事業でたたき出し、収益の柱となっている。

ただ、米国での金融規制強化の流れの中で、対応コストが増しており、米国事業の経費率は75%に達する高水準だ。組織のスリム化などコスト削減策に務めているが、ドル調達コストも高止まりしており、収益性の低下に直面している。

平野信行社長は「営業費用の主な伸びは、基本は海外。規制やシステム対応コストがここへきてかさんできている」と説明。そのうえで「米国人がCEOになって、一歩踏み込んだ対応を進めている」と強調した。

米国では、金融規制の緩和を訴えたトランプ氏が大統領に就任するが、平野社長は「選挙期間中の発言通りに実施されるかどうかは不透明なところもある。これからの展開を見極める必要がある」と述べた。

三菱UFJは、アジアでもマニラに事務センターを置き、後方事務をシフトするなどの施策を打ち出した。

<あの手この手、弥縫策には限界も>

トップライン収益の伸び悩みを受け、各グループはコスト削減策に走り出した。三菱UFJの平野社長は「効率性の追求が必要。経費効率や経費構造を変えていかなければならない」と語る。

三井住友FGは傘下の銀行や証券、消費者金融など各社の企画部長からなる「グループ経費削減協議会」を今年度に立ち上げた。購買業務や支払業務の集約化、施設や店舗の共通化によるコストカットが狙いだ。

みずほ<8411.T>は、業務の効率化を目指して、「オペレーショナルエクセレンス」と呼ばれる手法を導入。18年度末までに500億円の経費削減を図る計画だ。佐藤康博社長は「さらに100億円ぐらい上積みさせる」と述べた。

ただ、支店の統廃合や人員削減などの抜本的なコスト削減には踏み切れないのが実情だ。顧客の利便性を維持する必要もあり、欧米銀のように簡単に人を切れない事情もある。

野村証券の銀行アナリスト、高宮健氏は「銀行を取り巻く厳しい経営環境が続く中、利益水準の維持・改善という観点から、17年以降は構造改革やビジネスモデルの変革など、構造改革競争が新たな投資テーマとして浮上してくる可能性がある」と述べている。

(布施太郎、浦中大我 編集:石田仁志)

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