グローバルビジネスの英語のコミュニケーション能力を測るテストとして、すっかり定着したTOEIC® Program。2016年5月には、10年振りにTOEIC® Listening & Reading Test(略称TOEIC® L&R)の出題内容を変更。07年から始まった、話す・書く能力を測るTOEIC® Speaking & Writing Tests(略称TOEIC® S&W)の受験者も増えている。TOEIC® Programの今後と有効な活用法を、IIBC・IP事業本部IP普及ユニット ユニットマネジャーの永井聡一郎氏に聞いた。

ビジネスシーンで
実際に使われる英語力が試される

IIBC・IP事業本部IP普及ユニット
ユニットマネジャー 永井聡一郎氏

 「今回のTOEIC® L&Rの変更内容を一言でいうと、現在の英語によるコミュニケーション状況を反映し、よりオーセンティック(実際的)な出題形式になったことです」と永井氏は説明する。英語の使い方は日々変化する。TOEIC® Programは英語のスキルを確実に測定するテストであり、そのためにTOEIC® L&Rの出題形式を10年ぶりに一部変更した。

 例えば、テキストメッセージやチャット、複数(3人以上)が参加する会話など、近年増えているコミュニケーション形式や、図やグラフなどの視覚素材と会話を紐づけて回答する設問が加えられた。全体的に小手先のテクニックは通用せず、文脈を理解しなければ解けない問題になっている。「一例として、“暗示された意図”を問う問題。“I can’t believe it” はネガティブな場面で使えば否定的な意味で“信じられない”と訳しますが、ビジネスが好調で拡張されたオフィスを前にした社員が発すると“なんと素晴らしい”となる。話し手がどの場面でどのような心情で語ったのか、文脈を把握して意図を読み取ることが求められます」

問題例

※解答は最終ページにあります