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三菱自動車に“泥縄支援”を要請したビッグスリーの崖っ縁

週刊ダイヤモンド編集部
2008年12月22日
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 2009年にも御社の電気自動車をOEM供給してほしい――。

 09年夏から日本国内で電気自動車「アイミーブ」の販売を予定している三菱自動車に対し、ビッグスリーのゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターが相次いでOEMによる提携を打診していることが明らかになった。

 三菱側にとって、大きなビジネスチャンスと思いきや、意外にも三菱グループ内では断る方向で議論が進んでいるという。

 というのも、すでにアイミーブは現時点で、09年生産予定の2000台を上回る受注があり、他社に回す余裕はない。しかも、経営危機の最中にあるビッグスリーからの要求だ。三菱側も、なんらかのリスク回避の条件がなければ、怖くて増産できないのだろう。

 それにしても、GMなどの要求が09年と、かくも性急な理由は何か。詳細は後述するが、ビッグスリーは政府に対し、低燃費車の計画などを示す必要があるからだ。

 周知のとおり、ビッグスリーの緊急支援はいよいよヤマ場を迎える。12月17日時点の情報では、19日までに金融安定化法の公的資金(7000億ドル)で、すでに拠出が承認されている3500億ドルのうち、使途未定分の150億ドルが投入される見通しだ。これにより、懸念されていたGMとクライスラーの08年内の資金繰り破綻という最悪の事態は避けられる格好である。

 とはいえ、仮に150億ドルのうち、100億ドルをGMに投入したとしても、「せいぜい2月末までしか持たない」(寺澤聡子・みずほ証券シニアクレジットアナリスト)。

 当初の支援法案のような方針であれば、政府が定める経営監督者の下で、3月末までに再びリストラ策や低燃費車開発などの中長期的な再建策を提出。これが「再生困難」と判断されれば、連邦破産法第11条による倒産という引導が渡される。

 つまり、GMは、自社開発の電気自動車のほか、製品化がひと足早い三菱のクルマでラインナップの充実を図ろうという切羽詰まった状況にあるのだ。

 ところで、そもそも金融安定化法は「金融機関に適用し、事業会社は適用外」(ポールソン財務長官)だったはずである。中川隆・大和証券SMBCクレジットグループ次長は「本来の目的は、不良資産の買い取りだったが、一度もその目的で使われたためしがない」と指摘する。

 特にGMの場合、どう見ても実質的には破綻状態にある。有望な再建策も見えないなか、それに公的資金を投入する。当然、反対論は根強い。多くの市場関係者は「要は、混乱を伴う急激な破綻を防ぐだけ。結局は公的管理下で、適正規模まで時間をかけて解体していくことになるだろう」という冷徹な見方が支配的だ。まさに、四面楚歌で、崖っ縁の状況である。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 山本猛嗣)

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