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アングル:トランプ相場に挑むミセスワタナベ、逆張りでドル売り

2016年11月17日

[東京 17日 ロイター] - トランプ相場に、日本の個人投資家「ミセスワタナベ」が持ち前の逆張り戦略で挑んでいる。ドル/円<JPY=>が上昇を続ける中で、ドルの売り上がりを継続。損失も膨らんでいるとみられるが、ひるむ様子は見られない。心理的節目の110円をにらんだ、海外勢との神経戦の様相が強まってきている。

<様子見から一転、逆張りへ>

米大統領選の開票当日の日本時間9日、ドル/円はいったん101円前半まで下落したが、複数のFX会社の関係者によると、序盤の局面では個人投資家の目立った動きはなかった。「英国民投票の教訓があったためだろう。様子見が多い印象だった」(FX会社)という。

いわゆる「ミセスワタナベ」が動き始めたのは、ドル/円が上昇に転じてからだ。トランプ氏の穏当な勝利宣言で過剰な警戒感が後退。米金利の上昇や、本国投資法(HIA)への思惑で、ドルは反転し、急速に上げ足を速めた。

そのタイミングで個人投資家は得意の逆張りに動いた。東京金融取引所のFX「くりっく365」のドル/円のポジション動向を見ると、8日は売り建てと買い建てがそれぞれ44万枚できっ抗していたが、大統領選の開票があった9日には、買い建てが45万枚へとわずかな増加にとどまったのに対し、売り建ては50万枚に大きく増えた。

翌日も、個人はドル売り/円買いに一段と傾斜。10日にはくりっく365での売り建ては一時56万枚へとさらに膨らむ一方、買い建ては一時42万枚に減った。

ドル/円は、節目と見られていた7月高値107.49円をあっさり突破。「個人のロスカットによるドル買いが出て、ドル/円の上昇に拍車をかけた」(別のFX会社)面があるといい、いったんは個人のドル売りの手も緩んだようだ。

ただ、108円台に上昇する中で、個人投資家はひるまずドル売りを継続し、売り建ては再び拡大した。ドルの上昇は止まらず「109円台でもかなりの規模の個人のロスカットが出たはず」(同)とみられている。それでも、新たな売りが「湧いて出た」(同)とされ、16日時点でも売り建てが55万枚と買い建ての41万枚を上回る状況が続いている。

<海外勢とミセスワタナベの神経戦に>

この先の展開について、外為どっとコム総研の調査部長、神田卓也氏は「ミセスワタナベのドル売りと、海外投機筋のドル買いとの神経戦」とみる。

ここまでの急激なドル/円の上昇を主導してきたのは、海外投機筋とみられている。10月初旬にIMM通貨先物の非商業(投機)部門で6万8000枚あった円ロングポジションは直近で3万枚前半に縮小。既にドル/円が高値圏にあることから「ここから新たに腰を入れてドルロングを組むのには勇気がいる」(国内金融機関)ともいう。

ただ、ドルのドライバーとなっている米金利は高止まり。調整色が強まった17日の市場でもドル/円は108円台で下げ渋っている。「良好な米指標など、好材料に素直なドル買い/円売りの反応が見られる限り、もう一段、上方向で粘れそうだ」(りそな銀行の総合資金部クライアントマネージャー武富龍太氏)との声も聞かれる。

一方で、短期間での急激なドルの上昇に「足元の相場のクライマックスが近い可能性がないか、注意は怠れない」(別の国内金融機関)との慎重な声も増えている。

いったん高値をつければ、個人投資家はレンジプレーに移行し、今度は逆張りのドル買いに動くとみられる。押し目のポイントは通常、直近高値から2─3円下方とされる。仮に110円付近が高値となれば「107円付近からは、個人の押し目買いが支援するのではないか」(先のFX会社)との見方も出ている。

(平田紀之 編集:伊賀大記)

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