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アングル:伊国民投票、世論調査で強まるレンツィ首相への逆風

2016年11月18日

[ローマ 15日 ロイター] - 上院や地方政府の権限を大きく削ることを盛り込んだ憲法改正の是非を問う12月4日のイタリア国民投票まであと半月あまり。レンツィ首相は、この国民投票に自身の進退をかけているが、これまでの世論調査結果を見ると、形勢は悪化する一方だ。

10月21日以降に11の世論調査機関が公表した32の調査では、すべて反対派がリードし、全般的にリードの幅が広がっている。14日に出た3種類の最新調査でも、反対派は5─7ポイントの差で優位となった。

これらの調査には態度未定の有権者は含まれていない。調査機関EMGアクアとテクネの推定では、態度未定者の割合はそれぞれ25.9%と16.5%。レンツィ氏にとって懸念すべき最悪の事態は、態度未定者が減っていくにつれて反対派の割合が高まっていくことだ。

ブックメーカー(賭け業者)も、国民投票が否決される確率を約75%と予想している。

世論調査結果がこれほど一方的になっているため、実際に投票が否決された場合のレンツィ氏の態度に関心が集まりつつある。

レンツィ氏は当初、否決なら辞任すると繰り返していたが、その後自分の将来を巡る議論ばかりがクローズアップされて改革の妥当性が注目されなくなるとして進退問題に言及しない時期があった。ただこの数日間で再び、否決されれば辞めると示唆し始めた。

もっとも大半の世論調査機関は、投票結果がどうなるかはなお予断を許さないとの見方をしている。

欧州連合(EU)離脱派が勝利した6月の英国民投票や、ドナルド・トランプ氏が当選した今月の米大統領選は、いずれも事前の調査結果がいかに当てにならなかったかを証明したからだ。

さらにイタリアには特有の事情もある。1つは世論調査で反対派の割合が最も高かったのは南部だが、この地域は通常、投票率が低い。ウィンポールの責任者フェデリコ・ベニーニ氏は「南部で反対票を入れると回答した人の多くは結局、投票には行かないかもしれない」と話した。

投票資格はあるが、世論調査の対象にはなっていない420万人前後の在外イタリア人が、レンツィ氏の救いの神になる可能性もある。ベニーニ氏は、これらの人々はそれほどイタリア政治に詳しくはなく、改革に取り組むのはおおむね良いことだと考えるので、最大80%が賛成に回ると予想する。

また国民投票用紙に記された質問の内容が、レンツィ氏に有利に働いてもおかしくない。改革策の中で比較的人気のある項目に言及している一方、厳しい部分には触れていないからで、こうしたやり方は物議をかもし、合法かどうかの議論も出ている。

世論調査員のニコラ・ピエポリ氏は、政治に関心の薄い有権者の最大8%は態度未定のまま投票所にやってくる可能性があり、質問用紙の内容が彼らの態度を左右するかもしれないと述べた。

トランプ氏の予想外の勝利が国民投票にどう影響するかはまだ分からないとの声もあるものの、米大統領選の結果判明後に公表された7つの世論調査のうち6つでは反対派のリードが拡大している。12日のウィンポールの調査では、有権者の52%がトランプ氏の勝利は国民投票反対派の追い風になると回答した。賛成派が有利になるとの見方を示したのはわずか6%だった。

イタリアの法律では選挙ないし国民投票の15日前から世論調査の公表が禁止されるため、18日に公表される調査が最後となる。

(Gavin Jones記者)

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