好調な新春相場を迎えて、本年は明るい期待が持てそうだ。大発会の日経平均株価は169円高となった。

 1949年に東証が戦後再開してからの集計では、大発会に上昇した年は70%の確率で上昇し、平均上昇率も13%となった。これは大発会に下落した年には45%の確率でしか上昇しなかったこと(平均上昇率は6%)と比べると、大きな差である。

 相場上昇の背景には、日米の金融緩和による過剰流動性期待に加え、世界景気の回復がある。実体経済の改善が背後にあるだけに、期待先行で急騰する相場と比べて、緩やかながらも息の長い上昇相場となるだろう。

 では、どういった観点で銘柄を選別すべきか。景気や企業業績の上昇トレンドが相場を支えているのであれば、業績面での投資尺度を使いたい。まずは、バリュー(割安性)の尺度であるPER(株価収益率)である。足元であれば、10倍程度までが割安の目安となるだろう。次にグロース(成長性)の尺度で経常増益率である。これら二つの尺度で銘柄をスクリーニングした。

 ここでは2012年3月期の予想純利益で算出したPERと経常増益率に着目した。まず実績PERを基準に東証1部上場銘柄で割安な上位2割に該当する銘柄のグループをつくる。反対に割高なほうからも2割の銘柄のグループをつくる。グループの平均的なリターンを計算し、その差を毎月計算した。これは、割安なグループを買い(ロング)、割高なグループを売った(ショート)場合のリターンだ。