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中国ギョーザ騒動のあおりを受けるコンビニ弁当の苦境

週刊ダイヤモンド編集部
2008年2月18日
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 コンビニエンスストア業界の中国食材不安への対策は、これからが本番といえそうだ。

 コンビニ大手各社では、差別化のために弁当やおにぎり、総菜類など多くのプライベートブランド(PB)を開発している。各社で差はあるが、売上高の4~6割を占める。言うまでもなく、これらの製造・販売の責任を負っている。

 コンビニのPBでは天洋食品の製品は使用しておらず、安全性の確保された食材を使用していることから、現在のところ販売を中止した商品はない。ただ「世界各地から原材料を調達しており、そのなかに中国も当然含まれる。安全だとはいっても今回ばかりはしっかり検査をしないと心配」(大手コンビニ幹部)と本音を漏らす。中国食材の使用比率は明らかにしていないが、おおよそ1割程度と見られている。

 「1日に2~3件、弁当に中国製品を使っているのかなどの質問を受ける」と都内大手コンビニの店長が語るように、依然としてはっきりと原因がわからないなか消費者の不安は増すばかりだ。「いくら安心だと説明しても、中国食材を使っていることに変わりはない。すべて検査しなければ信頼してもらえないだろう」(同店長)と店舗の最前線では危機感が高まる。

 だが、今後の検査を進めていくにも、そのコストを誰が負担するのかという点が問題になるだろう。現在大手各社はすべての原材料の洗い出しをしているが、中国食材は数百品目に上ると見られる。今回問題となっているメタミドホスの残留農薬検査は一品目当たり1万5000~2万円。他のあらゆる農薬に関して一つひとつ検査を行なっていけば、そのコストは決して無視できない額になってくる。

 コンビニ側は「ベンダー(製造を委託している食品加工会社)が負担するのが筋」と言うが、ベンダー側は「そのつど話し合いで決まること」と語り、早くも両者間の認識は一致していない。

 一連の騒動で、業界各社はコスト増を強いられている。いかにそれらを吸収し、早期に安全性を消費者に訴えることができるか。時間がかかれば、売り上げに響きかねない。コンビニ大手にとってもまた、今回の騒動のインパクトは大きい。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 片田江康男)

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