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トヨタ、リチウムイオン観察手法開発 数年後めど性能向上電池 

2016年11月24日

[東京 24日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>は24日、リチウムイオン電池が充放電する際の電解液中のリチウムイオンの動きを観察する手法を世界で初めて開発したと発表した。この手法を電池性能低下のメカニズム解析に活用し、数年後をめどに性能を約10―15%向上させた車載用リチウムイオン電池の実用化をめざす。

軽量・小型・大容量という長所を持つリチウムイオン電池は現在、家庭で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)などの環境対応車用バッテリーとして不可欠。安全性や低コストを維持しながら、航続距離(一回の充電で走行できる距離)や電池の寿命をいかに伸ばせるかなどが課題となっている。

リチウムイオン電池は充電時には正極から負極へ、放電時は負極から正極へ、リチウムイオンが電解液中を移動することで電気が流れる仕組みで、充放電時に電解液中のリチウムイオンが偏ることが電池の性能低下の原因の1つとなっている。

トヨタによると、新たな観察手法は、この偏りが生じるプロセスをリアルタイムで観察でき、搭載車両の航続距離やバッテリーの寿命など電池の性能向上に有効な研究・開発指針が得られる。今回の観察手法は豊田中央研究所、日本自動車部品総合研究所、北海道・東北・京都・立命館の4大学と共同で開発した。

リチウムイオンの観察にあたっては、世界最高性能の放射光を生み出す大型放射光施設「Spring―8」でレントゲン装置の約10億倍の大強度X線を用い、高い解像度で高速計測を実施。加えて、リチウムイオンが観察しやすくなる電解液を使い、製品と同じ電池(ラミネートセル)のまま可視化することに成功したという。

大型放射光施設Spring―8は、特定国立研究開発法人の理化学研究所(理研)が施設者として包括的運営を行い、公益財団法人の高輝度光科学研究センター(JASRI)が運転・維持管理している。

(白木真紀)

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