ICTの進化で働き方と
生産性はどう変わるか

 こうした動きを一気に推し進めた要因の一つは、何といってもICT※3の進化だ。確かにこの数年で、スマートフォンやタブレットなどの業務での活用が一般化してきており、サービス基盤のクラウド化やネットワークの高速化など、社内外で情報を共有するためのツールやシステムもより高機能化した。 

ICTの進化が、働き方と生産効率を大きく変えつつある(イメージ)

 これらが高度なセキュリティの担保の下で、しかも安価に利用できるようになったことの意義は非常に大きい。場所や時間にとらわれない柔軟な働き方は、ICTの高機能化と安全性の向上によって、自然に広がったという見方すらある。

 中山専務理事は、ビジネスプロセスでのICTの有効活用が、社員のワークライフバランスの実現や多様な人材の社会参画と同時に、企業全体の生産性向上につながっていく点を強調し、実績を踏まえ、次のように見解を述べる。

「例えば、現場のお客さまや営業担当者とオフィスにいる上司や専門のスタッフが、ウェブ会議などの遠隔会議システムを使ってタイムリーにコミュニケーションを取ることで、その場で問題を解決できます。

 また、これまでオフィスに戻って行っていた業務をアポイントメントの合間にモバイルワークで処理できるようになれば、業務効率や意思決定のスピードアップはもちろん、社員もオフィスに戻らず帰宅でき、ワークライフバランスの実現につながります。これらを積み重ねることが企業の生産性向上や価値創造につながります。

 当協会の会員企業にも、テレワークの活用で社員の多様な働き方を実現し、業績を伸ばしているケースが見られます」


※3 Information and Communication Technology(情報通信技術)