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生保中間決算、外貨建て資産増加で円高のマイナス影響が拡大

2016年11月24日

[東京 24日 ロイター] - 低金利を背景に生命保険会社が外貨建て資産を増加させるなか、為替変動が収益に与える影響が大きくなっている。円安時には大きな押し上げ要因になる一方、円高時には足を引っ張ることになる。

大手生保各社が発表した2016年4─9月期中間決算では、資産運用収益の核となる利息・配当金等収入が前年同期に比べ減少した。

24日に決算を発表した日本生命の同収入は9.1%減の6738億円となった。9月末のドル円レートが101円台と前年同期比で19円近く円高が進んだことで、米国債など外貨建て資産のクーポン(利息)が円建てで目減りしたことが大きな要因だ。

同日に発表した明治安田生命、住友生命も利息・配当金等収入が前年同期に比べて減った。

国内外で進んだ金利の低下は、新規投資においては課題となっているが、生保の資産運用収入にただちに大きな影響を及ぼすものではない。毎年、市場実勢を反映する新規投資は資産全体の数パーセントにとどまるからだ。一方、為替の影響は即座に収益に反映される。

生保各社は外債投資に際して大半は為替ヘッジを付けて為替変動リスクを回避している。ただ、ヘッジは債券の元本部分についてのみ、そこから発生するクーポンについてはヘッジはつけていない。

 「日本国債への投資水準は30年債で1%程度」(住友生命の古河久人執行役常務)との声もあるなかで、大幅に低く推移する国内金利を受け、大手生保各社は近年、外貨建て資産を増やしてきた。大手4社の外貨建て資産は2015年度で35兆7000億円と5年間で8割以上増えた。

外貨建て資産の一般勘定資産全体に占める割合も、明治安田生命の場合、2011年度の9.4%から、2015年度は19.9%に増えた。その結果、利息・配当金収入に占める外貨建て資産の割合も「2割程度」(明治安田の荒谷雅夫常務執行役)になったという。

上期は大幅に進んだ円高でマイナス要因となったが、足元では、「トランプ相場」でドル円レートは112円台と、昨年度末と同じ水準まで円安が進んでいる。下期の為替動向次第では、一転押し上げ要因になる可能性もある。

そのため、「為替による(外貨建て資産からの)クーポン収入の上下動はいたしかたない」と日生の児島一裕常務執行役員は述べ、変動を織り込んだ上での投資戦略を進める考えを示した。

国内の低金利環境が長期化し、各社の外貨建て資産の比率が拡大し続けた場合、為替動向がクーポン収入にあたえる影響はさらに大きくなる。各社とも安定的なリターン確保へさらなる工夫が求められる。

第一生命ホールディングス <8750.T>の川島貴志専務執行役員は今月中旬の決算記者会見で、ドルなどの特定の通貨の変動による影響を減らす取り組みとして外貨建て資産への投資において通貨分散をさらに進めると語った。

(浦中 大我)

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