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焦点:トランプ氏の国内回帰策、スニーカー業界が限界露呈

2016年11月24日

[21日 ロイター] - トランプ次期米大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)の破棄や環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を主張しているが、米国の製造業者は冷ややかだ。米国が協定を破棄しても、アジアに移った製造拠点が国内に戻ることはなく、消費者のコストが増大する恐れがあるためだ。

例えばナイキ<NKE.N>とニューバランス・シューズのスポーツシューズ大手2社は米国のTPP離脱の是非を巡って袂を分かち、海外生産が進んだナイキがTPP参加を支持、生産拠点を米国内に残しているニューバランスはTPP離脱を支持した。しかし両社とアナリストはいずれも、この業界でアジアが製造拠点であり続けるとの見方では一致している。

ナイキのようにアジアに製造拠点を移した企業は既に多額の投資を行っており、関税引き上げや米消費者のコスト増があっても工場の移設を検討することはないとアナリストはみている。

米国内で新規雇用が生まれるのは何年も先のことで、3Dプリンターなど生産技術の向上により人員を抑えて利益を上げられるかどうかに掛かっている。

これはメキシコでの製造を開始して20年になる自動車部品製造メーカーなど他の製造業者も当てはまる。

アムステルダムに本社を置く靴メーカー、ハイテック・インターナショナル・ホールディングスのエド・ファン・ベゼル最高経営責任者(CEO)は「靴メーカーが先進国に拠点を移すという考えはばかげている」と話す。同社は製品の30%を米国で販売している。

米国は靴製品の98%を輸入している。製造拠点は数十年前に中国を中心とする海外に移転した。靴製品は製造工程が最大で80段階に及び、非常に労働集約的な産業だからだ。

ベトナムの靴製品製造に携わる労働者の平均月収は約245ドル。米国際貿易委員会(ITC)によると靴の関税の税率は0%から最大48%で、平均は13%。

米フットウェア卸売り・小売り業者協会のマット・プリースト会長は「大きな損失を被るのは消費者だ。貿易協定が破棄されれば、靴の価格が上昇する」と述べた。

フォード・モーター<F.N>のマーク・フィールズCEOも先週、メキシコから輸入する自動車やトラックに課せられる関税が引き上げられれば、自動車業界や米国経済にとって打撃になると警告。小型自動車は米国で製造しても利益が小さいため、メキシコでの製造を継続するとした。

(Timothy Aeppel記者、Mai Nguyen記者)

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