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アングル:伊国民投票、否決でも「五つ星運動」の勢力後退か

2016年11月24日

[ローマ 18日 ロイター] - イタリアで12月4日に実施される憲法改正の是非を問う国民投票が否決となった場合でも、反体制派政党の「五つ星運動」の勢力は拡大よりも後退の可能性が大きい。

レンツィ首相は国民投票が否決となれば辞任する意向を表明しており、市場では反ユーロを掲げる五つ星運動が政権の座に就くのではないかと懸念されている。世論調査では憲法改正反対派が優勢となっているため、イタリア10年国債利回りの対ドイツ国債スプレッドは2年ぶりの高水準に跳ね上がった。

ただアナリストによると、否決された場合イタリアは旧来のコンセンサス重視の政治に戻り、左右両派の既成政党が五つ星運動を野党の座に押しとどめるために足並みをそろえるとみられる。

そうした取り組みの軸となるのは、下院の選挙制度改正だろう。現行制度は五つ星運動に有利な仕組みなっている。だがレンツィ氏は国民投票の結果にかかわらず、2018年に予定される次の総選挙前に制度改正しなければならないと発言している。

ボローニャ大学のピエロ・イグナッツィ教授(政治学)は「今の選挙制度のままなら、五つ星運動は明らかに政権に到達するだろう。制度を変えることで、異なるさまざまな選挙結果が実現する」と話した。

 「Italicum」と呼ばれる現行制度は、レンツィ氏が昨年導入に成功したもので、初回投票ですべての政党が一定以上の得票を得られなければ、上位2党が決選投票に進む仕組みで、勝利した勢力には議会の安定多数が約束される。

当初はレンツィ氏の民主党(PD)にメリットをもたらすと想定されたが、結果的には五つ星運動が躍進し、最近の幾つかの世論調査では決選投票で簡単に勝利できることが示された。

こうした世論調査に危機感を抱いたPDは今月、決選投票を廃止して初回投票結果に応じて議席を配分する単純な制度に変更することを検討していると明らかにした。

中道右派でベルルスコーニ元首相が率いる「フォルツァ・イタリア(FI)」もこうした提案を支持している。ベルルスコーニ氏は16日に「もしどの政党もはっきりした過半数が獲得できないなら、ドイツのように2つ(の政治)勢力が(連立)合意に達しなければならないだろう」と語った。

ところが五つ星運動はこれまで、自らの理念が損なわれるのを避けるためいかなる連立の試みもしないと強調してきた。つまり、単純な得票率を比例配分した議席数となれば、常に野党の地位に甘んじる可能性がある。

(Crispian Balmer記者)

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