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アングル:海外の長期投資家、トランプ円安で日本株を再評価

2016年11月25日

[東京 25日 ロイター] - 長期投資を掲げる海外の資産運用大手が日本株を再評価し始めた。米大統領選でトランプ氏が勝利したことをきっかけに金利上昇とドル高・円安が進行。日本の輸出企業にプラスになるとの見方から、投資判断をオーバーウエートにする動きが出ている。

また金利上昇の恩恵を受ける金融株のほか、ロボティクスや自動運転関連株などへの関心が高い。

<米大統領選直後に引き上げ>

スイスのプライベートバンク、ジュリアス・ベア<BAER.S>(運用資産は先月末時点で3270億スイスフラン=約36.5兆円)。同社のアジア地域最高投資責任者(CIO)、バシュカール・ラクスミナラヤン氏は、今月10日に、日本株の投資判断をそれまでの「ニュートラル(中立)」から「オーバーウエート(強気)」に引き上げたと明らかにした。米大統領選の結果判明からわずか1日後のことだ。

ドイツ銀行グループ<DBKGn.DE>の資産運用部門、ドイチェ・アセット・マネジメント(運用資産は6月末時点で7190億ユーロ=約86兆円)のアジア太平洋地域CIO、ショーン・テイラー氏は、先週16日のCIO会議で、グローバル株式の中で特に日本株をオーバーウエートする決定を行ったと明かした。

その理由として、2社が共通して挙げたのは対ドルでの円安の進行だ。ドル/円<JPY=>は25日には一時113.90円と8カ月半ぶりの高値をつけており、米大統領選の開票前日からの2週間強で約9円ものドル高・円安が進行している。円安はトヨタ自動車<7203.T>など輸出企業の業績にプラス要因となる。

2017年末のドル/円の見通しについて、ジュリアス・ベアは117円、ドイチェAMは115円と、いずれも米大統領選後に従来予想から上方修正した。

<日本株のトレンド左右する海外投資家>

外国人投資家は現在、日本株の売買で6─7割のシェアを占めている。安倍政権が発足した直後の2013年には現物株で約15兆円を買い越し、アベノミクス相場の原動力となった。

しかし、今年は1─9月に6兆円の日本株を売り越し、同期間として過去最高の売り越し額を記録。日経平均<.N225>は同期間で13.5%の下落となった。

 「トランプラリー」の参加者はヘッジファンドなど短期筋が中心とみられているが、日本株の持続的な上昇には、腰の据わった中長期の資金、いわゆるリアルマネーの流入がカギとなる。

この点に関し、ドイチェAMのテイラー氏は「過去1年半、投資家はファンダメンタルズに目を向けず、日本株相場はマクロ要因に振らされてきた。海外勢はマイナス金利政策や円高といったマクロ要因を理由に巨額の資金を引き揚げたが、それはファンダメンタルズの変化によるものではなく、行き過ぎもあった。今、それが変わろうとしている」と指摘する。

 「(個別企業を重視する)ボトムアップ型運用を行う投資家として、これまでも日本株に選別投資してきたが、円安により、また他国の株式が(相場上昇で)割高になったことにより、グローバル株式の中で日本が飛びぬけて魅力的という状況になった」とテイラー氏は話す。

このほか、ドイチェAM、ジュリアス・ベアともに、ROE(自己資本利益率)や投資効率の改善、コーポレートガバナンス(企業統治)の進展を、日本株を選好する理由として挙げている。

セクター別では、ドイチェAMは、円安メリットを享受する輸出株と金利上昇の恩恵を受ける金融株を中心にバリュー株全般を、ジュリアス・ベアは、向こう10─20年のトレンドを見据えて成長が期待でき、日本企業が優位性を持つ、ロボティクスや自動運転関連銘柄といったニューエコノミー株を選好している。

*見出しを修正しました。

(植竹知子 編集:伊賀大記)

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