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吉田恒のデータが語る為替の法則

「2つの顔」を持つ最近の豪ドル高に急落のリスク!
中国の旧正月明けが試金石か?

吉田 恒
【第116回】 2011年1月31日
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 FXなどで日本の個人投資家に人気の高い豪ドルですが、このところは上値の重い値動きとなっています。

 これには、豪州の大洪水や金(ゴールド)相場の下落の影響もありますが、対円ではわかりにくいものの、豪ドルが対米ドルなどで「異常な」上がり過ぎになっている影響がありそうなのです。

「2つの顔」を持っている最近の豪ドル高

 豪ドルは対円では2008年の高値をまだ2割も下回った水準で推移しています。しかし、対米ドルではすでに2008年の高値を大きく更新しました。

 こういったことからも想像できるでしょうが、豪ドルの過熱感や「上がり過ぎ」懸念は対円と対米ドルではまったく異なっていて、対円での豪ドルに「上がり過ぎ」懸念はありませんが、対米ドルでは明らかに「上がり過ぎ警戒域」に入っているのです。

 これは、5年移動平均線からのカイ離率で見るとわかりやすいでしょう。以下の資料1、資料2をご覧ください。

 豪ドルの5年線からのカイ離率は、経験的に、対円でも対米ドルでもプラス20%を超えると中長期的に「上がり過ぎ警戒域」となりますが、直近では、対円は小幅マイナスなのに対し、対米ドルはプラス20%を超えている のです。

資料1
資料2

 つまり、

 対円の豪ドル高に過熱感はないが、対米ドルでは過熱感に要注意

 と言えそうなのです。

豪ドルの総合力も
「上がり過ぎ警戒域」に達している

 過熱感のない対円と、過熱感の強い対米ドルといった豪ドル高の「2つの顔」ですが、どちらが豪ドルの「本物の顔」なのでしょうか?

 この点について、豪ドルの総合力を示す実効相場の5年移動平均線からのカイ離率で見てみると(資料3)、経験的にプラス10%を大きく超えてくると「上がり過ぎ警戒域」となりますが、それが昨年末時点でプラス14%まで拡大していました。

 その意味では、豪ドルの総合力も「上がり過ぎ警戒域」に達しているようなのです。

資料3

 以上のように見てくると、豪ドルが最近にかけて上昇一服気味になっているのは、対米ドルなどで「上がり過ぎ」の限界圏に達している影響があるのでしょう。

 それでは、豪ドルの対米ドルなどでの「上がり過ぎ」が修正に向かった場合、それに巻き込まれるリスクはあるのでしょうか?

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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