経営 X 人事
なぜ職場で人が育たなくなったのか
【第22回】 2011年2月1日
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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

お互い逃げ場のない
OJT指導‐被指導の関係を脱する

優れたOJT指導者の指導行動について、4回にわたって解説してきました。実証的な調査分析に基づくセオリーの数々は、職場で実行すればただちに効果があらわれるはずです。では、リーダーが個人として行動を変容させれば、OJT(On the Job Training)全体が再活性化するものでしょうか?実は、上司(もしくは上位者)と若手の垂直的な関係だけではなく、職場全体で若手に「関わる」ことが、成長に大きく作用します。

「お任せジョブ・トレーニング」から
方法的OJTへ

 優れたOJT指導者の行動特性を分析し、抽出した38の指導セオリーを9つの観点に分け、前回まで4回にわたって解説してきました。

 9つの観点とは、すなわち「目標設定」「計画立案」(Plan)、「計画の実行」「障害への対処」(Do)、「評価」(Check)、「学びの抽出」「次期目標設定」(Action)、「指導方針」(Leadership Policy)、「気をつけるべき指導行動」(Leadership Action)ですが、OJT指導でもPDCAサイクルを回すことによって、若手の成長にプラスに働く、ということです。

 このように、若手を成長に導くOJT指導は、現場に「お任せジョブ・トレーニング」ではなく、意識的、方法的に進められるものである、ということは間違いのないところでしょう。

 本連載は、「なぜ職場で人が育たないのか」という、いささかネガティブな問いかけでスタートしていますが、言うまでもなく、どのような環境であっても、育つ人は育っている。そして、うまく育てる人は少なからずいる、ということです。

 ただし、この20年の職場とマネジメントの変容、情報環境の変化を主因とする対人コミュニケーションの質変化などによって、全体的な状況としてOJTがうまく行かなくなり、その結果として人が職場で育ちにくくなってきた、というのが拙論の前提でした(連載第2回参照)。

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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

1961年、東京都生まれ。1986年 、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属され、以後、記者として流通、家電、化学・医薬品、運輸サービスなどの各業界を担当。2000年 週刊ダイヤモンド副編集長。2006年 人材開発編集部副部長。著書に『だから若手が辞めていく』(ダイヤモンド社刊)

 


なぜ職場で人が育たなくなったのか

「なぜ職場で人が育たなくなったか」をテーマに、その背景と要因を考える。そして研究者や識者の知恵を借りながら、「職場で人が育つ方法」を提示していく。

「なぜ職場で人が育たなくなったのか」

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