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アングル:トランプ氏と対立含み、G20議長国ドイツの試練

2016年11月30日

[ベルリン 29日 ロイター] - 来月1日に20カ国・地域(G20)の議長国を引き継ぐドイツのメルケル首相は、米大統領選のトランプ氏勝利によって危機に晒されている多国間協力を守る場としてG20を利用したい考えだ。

米国のオバマ大統領が近く退任することから、来年に4期目を目指す考えのメルケル首相は在任期間が長い首脳として、トランプ氏の大統領選勝利で揺らいでいる西側諸国の同盟関係をつなぎとめる唯一の存在となる。

G20の議長国としてドイツは「相互につながった世界の形成」をモットーとしている。G20は2008年の金融危機以降、世界の首脳たちにとって、経済政策面の国際協調を実現するための主要な場となっている。

ドイツの当局者らは、来年のG20議長国としての道のりは楽ではないとする一方で、モットーには国際協調を後退させるのではなく、前に進めたいというドイツの願いが込められていると強調。自由貿易や気候変動の問題に取り組む意向を示した。これらの分野はドイツはトランプ氏と対立することが予想されている。

トランプ氏はG20のメンバーでもある中国について、貿易面で米国の「息の根を止めようとしている」と指摘。巨額な対中貿易赤字を減らすため、来年1月20日の就任直後にも中国を為替操作国に指定するなどと主張している。

<トランプ氏の影>

ドイツは安定と持続可能性、責任の観点から世界経済をより強固なものにしたいと考えている。気候変動とエネルギー政策をさらに密接に関連付け、欧州などに向けた新たな移民の波の発生が予測されるアフリカ諸国を支援することを望んでいる。

気候変動では大きな進展は見込めない。トランプ次期大統領が2015年のパリ協定から脱退すると脅しをかけていることで、この問題は既に対立を含んだものとなっている。

経済についてドイツは、世界経済の安定に寄与するよう国際的な金融構造を改善することを望んでいる。世界貿易機関(WTO)が引き続き世界の貿易にとって中心的な機能を果たすことの重要性も強調。最近の保護主義の台頭に対処するため「交渉の必要性」を指摘している。

トランプ氏は大統領選で、米国にとっての貿易条件を満足できる内容にするための再交渉をWTOの規則が阻むならば、WTOそのものから脱退も考えると発言した。ただ、WTOの事務局長は先週、トランプ氏にその意思はないと述べている。

ドイツは来年の7月7−8日にハンブルグでG20の首脳国会談を開催する。

*見出しを修正して再送します。

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