ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

「フランスのサッチャー」に極右ルペン党首はどう挑むか

ロイター
2016年11月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
11月28日、来年のフランス大統領選は、中道・右派の予備選を制したフランソワ・フィヨン元首相が既成政党の代表として、反EUと反移民を掲げる極右の国民戦線のマリーヌ・ルペン党首(写真)の挑戦を受ける構図となってきた。パリで16日撮影(2016年 ロイター/Charles Platiau)

[パリ 28日 ロイター] - 来年4─5月に行われるフランス大統領選は、中道・右派の予備選を制したフランソワ・フィヨン元首相が既成政党の代表として、反欧州連合(EU)と反移民を掲げる極右の国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首の挑戦を受ける構図となってきた。

 フィヨン氏はこれまでのフランスの支配階層の政治家にはないタイプで、ルペン氏にとって予想外の試練となると同時にチャンスももたらしている。

 ルペン氏への逆風は、フィヨン氏が27日の予備選・決選投票においてFNが強い地盤で最も高い得票率を記録したことだ。フィヨン氏の社会的な保守姿勢と移民への強い態度は、ある程度FNのお株を奪っており、この日はルペン氏の支持率も低下した。

 一方でフィヨン氏が退職年齢引き上げや売上税アップ、労働時間延長といった思い切った経済改革を提唱している点は、ルペン氏が付け入るすきがある。ルペン氏がこうした政策に反対して、フランスの伝統とみなされる経済的な原則を守ると主張すれば、労働者層の支持を得られるだけでなく、中道左派の有権者にもアピールできるだろう。

 フィヨン氏の社会的な保守姿勢と経済政策の急進性のどちらに有権者が目を向けるかが、フランスでも米大統領選や英国民投票と同じように既成政治の敗北という予想外の結果に終わるかどうかを決定する要素となってもおかしくない。

 FNの大統領選選対責任者ダビッド・ラクリーヌ氏は28日に支持者向けに送った動画やツイッターへの投稿で早速、「フィヨン氏が大統領になれば各世帯と中間層、労働者層に手ひどい経済的、社会的なマイナスをもたらす」と攻撃。特に公務員削減方針をやり玉に挙げた。こうした普段なら左派から出てくるような批判とともに、フィヨン氏を「既成政治の新たなスター」と呼んで本当に移民に厳しく臨めるのかとの疑問も投げかけた。

 ただ中道・右派の予備選後最初に公表された調査によると、大統領選第1回投票の得票率予想はフィヨン氏が26%、ルペン氏が24%で、ルペン氏にとってはここ数ヵ月で最も低い数字だった。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


ロイター発 World&Business

ロイター提供、日本と世界の最新ニュースをお届けします。

「ロイター発 World&Business」

⇒バックナンバー一覧