経営×ソーシャル
ソーシャルメディア進化論2017
【第79回】 2016年12月6日
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武田 隆 [クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]

星野リゾートが顧客と一緒につくりたい「世界で求められる日本旅館」

【星野佳路氏×武田隆氏対談3】

東京・大手町に開業した「星のや東京」。都市に出現したこの日本旅館は、星野リゾート内では「ベースキャンプ」と位置づけられているそう。その真意とは何か。星野佳路氏がアメリカ留学時代に痛感した、日本のホテル会社が世界で通用しない理由、そして旅館業におけるソーシャルメディアの有用な使い方とは。連載第77回78回に続き、星野氏と武田隆氏の対談の最終回をお届けします。

「日本旅館」を世界のホテル
カテゴリの1つにするという野望

星野佳路(ほしの・よしはる)
1960年生まれ。長野県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、1986年米国コーネル大学ホテル経営大学院にて経営学修士号を取得。91年1月、星野リゾートの前身である星野温泉の社長に就任。以来「リゾート運営の達人になる」というビジョンを掲げ、圧倒的非日常感を追求した滞在型リゾート「星のや」をはじめ、全国で宿泊施設、スノーリゾートを展開している

武田 2016年7月に開業した「星のや東京」は、日本旅館のDNAを引き継ぎ、その魅力や価値を再定義する高級旅館です。おもしろいのは、場所が東京・大手町であること。大都市のビジネス街に日本旅館をつくった理由は何でしょうか?

星野 日本旅館が都市で機能するのかどうか、試してみたかったからです。星野リゾートの目標は、日本のホテル会社として世界に進出すること。その一歩が、この「星のや東京」です。1980年代には、日本のホテル会社がいろいろなかたちで海外に進出していきました。でもこの時代の海外進出は、結果的にうまくいきませんでした。

武田 なぜなのでしょうか。

星野 それぞれの企業にとっての固有の事情もあったでしょう。でも私は、日本のホテル会社が日本文化に対する期待を背負っていることが原因だと考えています。海外の人は「日本のホテル会社が来るのだから、どこか日本的な魅力があるに違いない」と思っている。それは使命であり、重荷でもあるんです。つまり、西洋のホテルと同じようなカッコいいホテルを建設・運営しても認めてもらえない。私は、バブル期にアメリカのコーネル大学大学院でホテル経営学を学び、シカゴやニューヨークで日系ホテルの開発や運営に関わったときに、そのことを間近で見てきました。

武田 世界の一流ホテルの真似をしても、受け入れられない。



武田 隆(たけだ・たかし) [クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]

日本大学芸術学部在学中の1996年、前身となるエイベック研究所を創業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「消費者コミュニティ」の理論と手法を開発し、複数の特許を取得。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。これまでに森永乳業、ライオン、資生堂ジャパンをはじめ、300社超のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア(矢野経済研究所調べ)。2015年、ベルリンと大阪に支局を開設。著書『ソーシャルメディア進化論』は松岡正剛の日本最大級の書評サイト「千夜千冊」にも取り上げられ、ロングセラーに。また、CSR活動の一環としてJFN(FM)系列ラジオ番組「企業の遺伝子」のパーソナリティも務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。


ソーシャルメディア進化論2017

花王、ベネッセ、カゴメ、レナウン、ユーキャンはじめ約300社の支援実績を誇るソーシャルメディア・マーケティングの第一人者、クオンの代表取締役 武田隆氏が、ダイナミックに進化し続けるソーシャルメディアの現在と未来に独自の視点から迫る!

「ソーシャルメディア進化論2017」

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