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量と金利で金融緩和継続、長期金利操作は順調=桜井日銀審議委員

2016年12月1日

[大津市 1日 ロイター] - 日銀の桜井真審議委員は1日、滋賀県・大津市内で講演し、9月に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)政策を導入して金融政策の軸足を「量」から「金利」に移したが、引き続き量・金利の両面で金融緩和を続けていくスタンスに変化はない、と語った。また、長期金利操作は、これまでのところ順調に機能しているとの認識を示した。

<大規模な国債買い入れ続ける>

桜井委員は、新たな金融政策の枠組みの下で長期金利を操作対象に加えたことによって「金融仲介機能への影響等にも配慮した、より柔軟な政策運営が可能となり、政策の持続性も高まった」とし、長期金利操作は「これまでのところ順調に機能している」との認識を示した。

金融政策の軸足をそれまでの「量」から「金利」に移行したものの、「金利と量は表裏一体。金利をコントロールするために、大規模な国債買い入れを続けていくことになる」と主張。「引き続き量・金利の両面で金融緩和を続けていくスタンスに何ら変わりがない」と強調した。

日銀が大規模な金融緩和を続ける中で「持続的な物価の下落という意味でのデフレではなくなった」としたが、「物価安定の目標は達成できていない。持続的な経済成長という点でも、まだ十分な成果は得られていない」と指摘。

依然として、企業や家計は先行きの物価や成長率が高まらないとの前提で経済活動を行っている「均衡状態」にあるとし、そこから抜け出すには「幅広い主体の粘り強い努力が必要」との認識を示した。

賃金の引き上げに向けた政府と民間部門の取り組みは「物価の安定を強く支持する」と述べるとともに、今後の物価動向を占ううえで「来春の賃金改定交渉に大変注目している」と強調した。

これらの取り組みによって物価や経済成長の見通しが高まれば、「実質金利の低下や自然利子率の上昇を通じて、金融緩和の効果も一段と高まる」と述べた。

<世界経済の不確実性、短期的な払しょく困難>

また、世界経済について「減速傾向に歯止めがかかりつつある」としながらも、「現在抱えている不確実性を短期的に払しょくすることは困難」と指摘。市場では米新政権による財政拡張などへの期待が高まっているが、「具体的な政策の内容は明らかでなく、当面はその影響を慎重に見極めていく」と語った。

(伊藤純夫)

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