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トランプ氏、ビジネス「完全撤退」は実現可能か

ロイター
2016年12月2日
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11月30日、トランプ次期米大統領(写真)は、大統領職に専念するため「ビジネスから完全に退く」とツイッターに投稿し、12月15日に具体的な説明を行う会見を開くと表明した。19日、ニュージャージーのゴルフクラブで撮影(2016年 ロイター/Mike Segar)

[ウィルミントン(米デラウェア州) 30日 ロイター] - トランプ次期米大統領は30日、大統領職に専念するため「ビジネスから完全に退く」とツイッターに投稿し、12月15日に具体的な説明を行う会見を開くと表明した。

 ビジネスから撤退する方法はいくつか考えられる。ただ、法律専門家によると、利益相反にまったく抵触しないようにするには、トランプ氏自身が率いる企業「トランプ・オーガナイゼーション」が世界中に保有する資産をすべて売却するしかなさそうだ。

 ベン・カーディン上院議員(民主党、メリーランド州)は、トランプ氏が保有資産を信託会社に登録して管理を白紙委任する「ブラインド・トラスト」を実施するよう強く求めている。

 ところが法律専門家の話では、ブラインド・トラストが機能するのは信託会社がどのような運用をしているかが委任した人にわからない場合のみという点が問題になる。トランプ氏の資産は高級ホテルや自分の名を冠した建物といった一目瞭然で流動性の低いものがほとんど。つまりトランプ氏がだれかに運用を任せたとしても、資産の動きは把握できてしまう。

 ジョージ・W・ブッシュ元大統領の下で倫理問題の責任者を務めたリチャード・ペインター氏は、ブラインド・トラストはトランプ・オーガナイゼーションの保有資産から生じる最も危険な利益相反への対策にはならないと指摘。大統領選挙人団に対して、トランプ氏が事業面の利益を手放さない限り、同氏に投票しないよう求めている。

 米紙ニューヨーク・タイムズの論説委員アンドルー・ロス・ソーキン氏は監視人制度を提唱し、2001年9月11日の米中枢同時攻撃の犠牲者に対する補償基金の監督に携わったケネス・ファインバーグ氏を推薦する。

 監視人はしばしば訴訟の和解において裁判所が任命。合意に違反した当事者は監視人から提訴され、判事が制裁を科す可能性がある。

 もっともトランプ氏のビジネスに監視人が導入されても、裁判所の支持を得られそうにはないので、トランプ氏が協力を拒否したからといって世論の批判を浴びるという以上の制裁は受けない。

 このため、先のペインター氏や、ニューヨーク大学法科大学院のスティーブン・ギラーズ教授は、今後発生する利益相反を減らす最善の方法は、トランプ・オーガナイゼーションを完全に売り払うことになると強調する。

 ペインター氏は、トランプ氏の子女が同社に関与しないようにする必要もあるとの見方を示した。

 ただし、ボストン大学法科大学院のブライアン・クイン教授によると、不動産物件の所有構造の特性から考えて、いざ売却するとしても長い時間がかかる公算が大きいという。

(Tom Hals)

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