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焦点:中国民間企業の景気エンジン加速、持続性には疑問符

2016年12月2日

[唐山/貴陽 1日 ロイター] - 中国の衛生陶器メーカー、豊華陶瓷は北部の唐山市に工場を建設中だ。2000年以降最大の設備投資で20%の増産を目論むが、雇用を増やす予定はない。売上高は徐々に回復しているが、用地や雇用面のコストが上昇し、利幅が縮小しているためだ。

中小企業の多くは豊華陶瓷と同じようなジレンマに悩んでいる。

政府は、今年に入って成長が安定して民間投資が持ち直し、内需の好調が読み取れると楽観的だ。しかしエコノミストは、国と結びつきの強い企業が優遇されるビジネス環境下にあって、企業は経営のかじ取りに苦心しており、景気回復は一過性で終わりそうだと警告している。

また設備投資が上向いたとしても、全ての業種で政策当局者が期待する数千人規模の雇用が創出できるわけでもない。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ジュリアン・エバンスピッチャード氏は「(景気回復を主導しているのは)成長構造の持続的変革や改革ではなく、過去の金融緩和だ」と指摘。「問題は売上高の伸びがどうなるかだが、持ち直しのペースがこれまでよりも大幅に高まることはないだろう。自分が中国企業ならば、今後数年間のマクロ経済の見通しに不安を抱くだろう」と話す。

チャイナ・ベージュブックの四半期調査によると、第3・四半期に中国企業の売上高は増えたが、利幅が縮小し、キャッシュフローは悪化した。

豊華陶瓷の輸出担当部門の幹部は「労働コストが年々上昇し、利幅が危機に瀕している。(しかし)長期的な競争力を維持するため、生産工程のグレードアップは欠かせない」と述べた。同社の年間売上高は1億6000万元(2330万ドル)。

民間部門は都市部の雇用の80%、設備投資の60%強を占める国内経済の要なだけに、民間企業の経営不振は悩ましい。

1─10月期の民間設備投資の伸び率は2.9%と今年に入って記録した過去最低から持ち直したが、数年前の20%強には遠くおよばず、国有企業の20.5%も大幅に下回っている。

地方政府は補助金の支給など民間企業の支援に動いている。地方政府も起業家精神の発揚や事業環境の改善から恩恵を受けるからだ。こうした取り組みは李克強首相の方針とも一致する。

しかし政府の民間企業支援は以前よりも手厚くなったとはいえ、国有企業向けに比べるとはるかに厳しい環境に置かれている。

Sunshine CeramicsのマネジャーのTian Weiguang氏は、同社の業界は岐路に立っており、生産性を高める手段を見出さなければならないと話す。「急な成長はないだろうが、安定を保つことはできる。この業界は調整が必要な時期に差し掛かっており、向上がなければ生き残りは難しくなる」と述べた。

(Elias Glenn記者、Shu Zhang記者)

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