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サブプライム惨禍は続く!株価底打ち説は時期尚早

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第30回】 2008年5月14日
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 上場企業の決算発表がピークを迎えている。株式市場の現在地点を確認し、行方を占うには絶好のタイミングだ。
 
 まず昨今の株価水準に関して言えば、私は当初想定よりもかなり早く回復してきたなというイメージを受けている。日経平均株価は連休明けの5月7日には1万4102円、9日には1万3655円で取引を終えた。米国の株価も年初来の高値圏にあり、投資家の間には少しほっとしたムードが漂っているところだ。

 しかし、悪い時期は本当に過ぎ去ったと考えていいのだろうか。結論から言うと、私はノーだと思っている。

日経平均1万4000円台の
大前提が揺らいでいる

 株式市場の先行きを占う上では、先ず株価のレベルを確認しておくことが重要だ。すなわち現在の経済状況に対して、高いのか安いのかを考える。

 たとえば、5月9日時点の日経平均株価1万3655円でいうと、今期予想利益ベースのPER(株価収益率)は16.27倍。前期の実績ベースでは15.45倍だ。PERが上がったということは、それだけ予想が悪化していることを意味する。実際、上場企業はこれまで6期連続増益だったが、2008年度は減益の見通しだ。

 この16.27倍という倍率では分かりにくいので、益利回りに直して考えたい。16.27倍とは益利回りで6.146%である。私は、この益利回りに、利益成長率の代理変数である名目GDP成長率を合算した数値を株式の期待リターンの目処だと考えることにしている。名目GDP成長率を長期の利益成長率とした場合に、株式が投資家に無理なく与えられるリターンを計算したものだ。そこから長期金利を差し引くと、リスク・プレミアムが見えてくる。

 筆者は、現在、リスク・プレミアム5~7%を普通の株価水準の範囲と捉えている。リスク・プレミアムが6%なら「株価は普通」、5%なら「株価は高め」、7%なら「株価は安め」と考えてもらいたい。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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