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物価2%未達、原油下落・インフレ予想失速が主因=日銀論文

2016年12月2日

[東京 2日 ロイター] - 日銀は2日、2013年4月の「量的・質的金融緩和」(QQE)導入時に打ち出した「2年程度」で、2%の物価安定目標が達成できなかった理由について、原油価格の下落と予想インフレ率が当初の想定よりも高まらなかったことが主因とする分析結果を論文として公表した。

論文は、日銀の調査統計局スタッフが「ワーキングペーパー」としてまとめた。

QQE導入当初に政策委員が想定していた消費者物価の見通しと実績値について、それぞれ需給ギャップや為替レート、原油価格、インフレ予想の変化などインフレ固有の要因に分解し、その結果を比較することによって消費者物価が見通しから下振れた背景を分析した。

13年4月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」における政策委員の消費者物価の前年比上昇率見通し(中央値)は13年度がプラス0.7%、14年度がプラス1.4%、15年度がプラス1.9%だった。これに対して実績は13年度こそプラス0.8%とほぼ見通し通りになったものの、14年度はプラス0.8%、15年度が0.0%と大きく下振れた。

分析の結果、15年度の1.9%下振れのうち、最も大きく押し下げに寄与したのが原油価格でマイナス1.0%ポイントと5割超を占める。次いでインフレ予想の変化などインフレ固有の要因がマイナス0.7%ポイント、需給ギャップがマイナス0.3%ポイントで、為替レートはプラス0.1%ポイントの押し上げ寄与となった。

インフレ予想は14年夏まで上昇傾向をたどっていたが、その後に失速。期待が高まらなかった理由について論文では「ベースアップ賃金の上昇ペースが想定以上に鈍かった影響が大きい」と指摘。

デフレが長期化したことによって「物価は上がらないという社会通念は根強く、金融政策のレジーム変化が労使間の賃金交渉に及ぼした影響も想定より小幅にとどまったと考えられる」とし、QQE導入以降も「インフレ目標によって規定されるフォワードルッキングな期待が賃金・物価形成に与えた影響は限定的なものにとどまった可能性が高い」と分析している。

(伊藤純夫)

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