いつも残業する人の共通点

 仕事が遅い人、残業が多い人の共通点は、
「仕事を始める時間は決めるが、終わりの時間は決めない」ことです。

「この仕事は3時間くらいかかるから、○時から始めよう」「この仕事には3日は必要だから、○日から始めよう」と、仕事量や難易度に応じて所要時間の予測を立てて「始める時間」を決めますが、「終わりの時間」は決めずに成り行きに任せています。

 だから、夜遅くまで仕事を引きずってしまうのです。

 いつも「終わりの時間」を決めず、ダラダラと残業する社員が、明日は送別会があるので、午後6時に仕事を終えて会社を出なければいけない。
 すると、「いつもより30分早く出社する」「ランチタイムを短くしよう」「アルバイトに手伝ってもらう」「いつもは歩きで移動だが今日はタクシーを使う」などの工夫で、午後6時までに仕事が終わるように調整する。

 いつもと同じやり方では、午後6時までに仕事を終わらせることはムリです。
 けれど、「終わりの時間」が決まると、「少ない時間で、今までと同じ成果を挙げるには、どうしたらいいか」を考え、仕事のやり方を工夫するようになります。

 ダスキン事業部・小金井支店2年目の社員・針山晃希は、「残業ができないため、仕事のやり方を考え直すようになった」と言います。

「私は1日に、50~70軒ほどルートセールスをしています。これまでは、夜7時までルートを回り、それから支店に戻って精算をして、夜10時まで残っていた。残業時間は、月に80時間くらいあったでしょうか。
 でも今は、遅くとも午後6時、早ければ午後5時には会社に戻ります。『終わりの時間』が決まっていると、今までと同じやり方では、仕事を終わらせることができません。
 そこで、ルート自体の見直し(訪問順など)をしたり、iPadで空き時間を活用するなどして、時間の使い方を変えました。月80時間あった残業時間は、今では約30時間に減っています」(針山)