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企業の労働分配率低下、増える剰余金 来春闘も期待薄の声

ロイター
2016年12月5日
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12月2日、企業の労働分配率が足元で低下している。稼いだ利益は内部留保に積み上がっている構図だ。このままでは来年の春闘での賃上げも期待できないとの見通しが専門家の一部から浮上している。2月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 2日 ロイター] - 企業の労働分配率が足元で低下している。稼いだ利益は内部留保に積み上がっている構図だ。経済界が業績の先行き不安や人口減少に身構えているためで、このままでは来年の春闘での賃上げも期待できないとの見通しが専門家の一部から浮上している。安倍晋三首相は最低でも今年並みのベアを経済団体に要請しているが、政府の期待は「空回り」する可能性がある。

増益でも賃金伸びず

 「賃金の伸びしろが、まだあることが示された」──。SMBC日興証券・チーフエコノミスト牧野潤一氏のチームによると、2016年7-9月期法人企業統計における企業の付加価値に占める人件費は59.8%と、5四半期ぶりに60%を割り込んだ。

 特に、従業員給与は0.2%増と過去4四半期で最低の伸び。このところ経常利益は前期比で伸びが続いているが、対照的に人件費は抑制傾向が鮮明となっている。

 一方、利益剰余金(内部留保)は15年度に160兆円と14年度の137兆円から23兆円増加した。16年度も増益が続いており、四半期データはないものの積み上がりが続いているとみられる。

 日本総研・調査部長の山田久氏は今の経済状況から見て、「企業は本来、1%のベースアップ(定期昇給)が実施できてもおかしくない。それをやっていないだけ」と指摘。ベースアップが1─2%なければ、デフレ脱却を確実に実現することはできないとみている。

ベースアップはせいぜい0.3%程度か

 連合は来春闘で2%程度のベースアップを要求する方針を打ち出した。景気が停滞感を強めている中でも、昨年の要求水準の維持を何とか通した。

 ただ、日本では個別組合の力が強く、連合の主導権は限定的。金属労協は月3000円以上を要求すると決めた。これは月例賃金の1%程度に相当する。

 だが、実際に妥結した過去のベースアップは14年0.4%、15年0.6%に過ぎなかった。エコノミストの間では、来春闘でも0.1─0.3%程度と予想する声が浮上している。

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