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がんとの共存が当たり前に
乳がんサバイバーと就労支援

監修 濱岡 剛(桜新町ブレストクリニック院長)

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第30回】

 部下から乳がん治療中の仕事について相談されたZさん。話し合い、手術時は有給休暇を、その後は体調を見ながら就労調整を行うことになった──。

 2人に1人ががんになる時代だ。働き盛りの現役世代も例外ではなく、職場にがんサバイバー(がん経験者)がいることも珍しくない。特に40~50歳代に発生のピークを持つ乳がんは外来通院での抗がん剤治療が浸透したこともあり、治療中も仕事を続けるケースが増えている。ただ、治療期間は術後合併症や薬の副作用で体調に大きな波が生じる。治療の段階ごとに就労への配慮が必要だ。

 初期治療の手術は、乳房全摘、温存術とも術後の回復が早く、退院後数日で職場復帰する女性もいる。腕や肩に生じる運動障害も数週~1ヵ月間のリハビリで改善し、個人差はあるものの業務への支障は少ない。ただ、リンパ郭清をすると腕のむくみや痛みを伴うリンパ浮腫が生じる場合がある。また、手術側の上肢の免疫力が弱くなるため、手や指の傷から侵入した細菌によって感染症を起こしやすい。指先を傷つけ汚染する可能性がある作業は避けたほうが無難だ。

 手術前後に抗がん剤治療を行う場合はもう少し複雑だ。術前もしくは術後1ヵ月目頃から始まる標準メニューでは、3ヵ月~半年のあいだに3週間に1回、外来で抗がん剤の点滴投与を行う。以前に比較して副作用は格段に楽になったが、点滴当日から2、3日は吐き気や倦怠感に悩まされることがある。脱毛など女性にはつらい試練もつきまとう。副作用が強い場合は短期入院も考えられるので、就労時間の短縮や有休、傷病休暇が必要だ。

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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