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流行語大賞「保育園落ちた日本死ね」トップ10入りで大論争

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第188回】 2016年12月10日
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写真:日刊スポーツ/アフロ

 今月一日、もはや恒例となった「ユーキャン新語・流行語大賞」が発表された。

 年間大賞に輝いたのは、広島東洋カープ・緒方孝市監督が言われた“神ってる”だ。昨年の年間大賞“トリプルスリー”には首を傾げたが、いずれにしても二年連続でプロ野球界からその年の流行語が選ばれたことになる。“カープ女子”という言葉がトップ10入りしたのが二〇一四年だから、いまやトレンドは広島から生まれるのかもしれない。

 今年は、出版社の校閲部に配属された新入社員を石原さとみちゃんが演じた『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』というテレビドラマ(日本テレビ系)が注目を浴びたが、“校閲”という言葉の守り神のような仕事(原稿の誤字脱字、表記の統一、表現の適格性、構成や展開、視点に齟齬がないか、固有名詞や年代、数字に誤りがないか等々を一言一句チェックし、正しい日本語に修正するお仕事)にスポットが当たった一方で、“神がかっている”を簡略化した“神ってる”が流行語大賞に選ばれた。

 正しい日本語と新語・造語のコントラストが面白いが、今年ベストテンにランクインした「保育園落ちた日本死ね」をめぐっても、はたしてこの言葉が流行語にふさわしいのか否かで論争が起きている。白黒をつけるかのように、“日本死ね”で意見が真っ二つに分かれているのである。

 授賞式には、収支報告書に地球五周分にも相当するガソリン代(プリカ一〇五回購入分)を計上した理由をいまだ説明をしていない……、もとい、「保育園落ちた日本死ね」と書かれたブログを国会で取り上げた民進党の山尾志桜里・前政調会長が出席した。

 「この言葉を『私と私の仲間が』という優しい言葉にくるんで、そして、後押ししてくれた女性たちに代わって、この賞を受け取らせていただきます」

 だそうだ。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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