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ワークス研究所の労働市場最前線

経済団体が打ち出した新卒採用活動改革案
活動時期の一律規制に疑問あり

豊田義博 [リクルート ワークス研究所 主幹研究員]
【第3回】 2011年2月10日
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 日本経団連は、去る1月12日に「新卒者の採用選考活動の在り方について」を発表し、倫理憲章の見直し案を提示した。広報活動の開始時期を遅らせるという点がその中核である。

「広報活動については、自社の採用サイトあるいは就職情報会社の運営するサイトで学生の登録を受け付けるプレエントリーを起点とし、その開始日を学部3年/修士1年次の【12月1日】と定める。それ以前は、インターネット等を通じた情報発信以外の活動は行わず、個人情報の取得も行わない。併せて、【12月1日】より前においては、大学が行う学内セミナー等への参加も自粛することとする。」

 この公表に呼応するように、経済同友会は1月21日に「新卒就職採用活動の適正化に関する意見」を発表した。採用選考活動全体を大きく後ろ倒しにするというのが、その提案の骨格である。

●広報活動の開始時期
(現状)  大学3年生の10月~
(是正案)大学3年生の3月以降とする。(修士課程は1年生の3月以降)

●選考活動の開始時期
(現状)  大学4年生の4月~
(是正案)大学4年生の8月以降とする。(修士課程は2年生の8月以降)

今も昔も2点に集約される
採用活動早期化是正の目的

 現状の就活の実態を問題視し、学生と企業のより良い出会いのために、新たな方策を打ち出すことには意義がある。また、多くの学生が長期にわたる就職活動に疲弊していることは事実であり、何らかの改革が必要なのは間違いない。しかし、私は、これらの提言に見られるような「活動時期を一律に規定する」という方策には、疑問符をつけざるを得ない。

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豊田義博 [リクルート ワークス研究所 主幹研究員]

(とよだ よしひろ)1983年東京大学卒業後、リクルート入社。新卒採用広報の制作ディレクター、就職ジャーナル・リクルートブックなどの編集長を経て現職。主な著書に『就活エリートの迷走』(ちくま新書)、『新卒無業。』(共著/東洋経済新報社)、『「上司」不要論』(東洋経済新報社)などがある。
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超就職氷河期、非正規社員の比率の高まり、社内教育制度の限界など日本の労働市場は、大きな転換期にある。労働市場の研究所として名高いリクルート社のワークス研究所の研究員が、就職、転職、キャリアパス、制度問題など、労働市場を360度の視点から縦横に分析する。

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