本気で知ろうという気がないなら
質問はしない方がまだマシ

 合同会社説明会などの場にいって、企業のブースでの就活生の質問を耳にする機会があります。毎年のことながら、妙な感心をしてしまうものです。実に中身が下らないからです。

 すでに手にしているパンフレットに書いていることをいちいち確認するような質問、会社の本業や特色とはあまり関係のない福利厚生の細かな規定。「私にとってこの会社で自己実現は可能なのでしょうか」といった、答えようのない問い。質問する気がないのなら、会社のことを本気で知ろうとしないのなら、質問はしない方がまだましです。

 説明会や会社訪問での質問をなぜするか、ちゃんと確認しておく必要があります。それはパンフレットやウェブなどでは得られない、それでいて会社を知るために重要な情報を、会社の担当者から直接聞き出すためです。あなたの存在をアピールするのでもなければ、すでに知っている情報を確認して安心するためでもありません。

 とにかく、会社説明会の前にウェブサイトなどで事前に調べられること、現場で配られる会社案内など与えられた情報にはすべて目を通しておきましょう。そこで得られた「答え」は、すでに質問する価値はなく、典型的な「下らない質問」です。

質問には、「閉じた」質問と
「開いた」質問がある

 簡単には得られない情報を人から聞くために質問をするのですが、そこで重要なポイントは「閉じた」質問をしないことです。閉じた質問というのは、返ってくる答えがイエスかノーで答えられる質問です。

 市場の占有率は事業の有望性を知るうえで重要です。しかし、「この事業の市場シェアはトップですか」と聞けば、最悪の場合、「はい」か「いいえ」でしか返ってきません。それでも多少の情報にはなりますが、その企業の強さの秘密や、将来の事業ををどう考えているのかは分かりませんね。