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 草津市の躍進を象徴するのは「南草津」だろう。1994年、立命館大学びわこ・くさつキャンパスと共に開業した当時は、新開地そのもので高い建物は目に付かなかった。ところが今では駅前にはマンションが詰まっている。

 注目すべきは年少人口比率が栗東市と守山市で18%もあることだ。県全体で見ても、この比率は沖縄県に次いで高い。滋賀県は「子育て県」なのだ。

 さて、京都市全体の人口は▲0.3%とほぼ横ばいである。

 しかし、「田の字」と呼ばれる御池通・四条通・五条通、河原町通・烏丸通・堀川通で囲まれた中心部でのマンション建設ラッシュがここ数年顕著に進み、6位中京区や9位下京区の人口が増えた。中京区では人気沸騰の御所南小学校区に住居を探す子育て層もこの人口増に寄与している。

 従来はオフィスや商業施設だらけだった烏丸通や河原町通にもマンションが散見されるようになってきた。

 田の字に加え京都御所の周りにも、東京など地元以外の購入者が集まることで新築マンション相場が高騰、地元の実需層は中心部から西や南の郊外に流れていった。

「田の字」地区の北辺、御池通にはマンションが立ち並び、パリのアパルトマンのような風情を醸し出している(京都市中京区)

 「京都」の南側に広がる10位南区の人口が増えた要因としては、キリンビール京都工場跡地の再開発から始まった「京都桂川つむぎの街」などの一大開発が挙げられる。イオンモール京都桂川が街の中心にあり、にぎわいを見せている。隣接する向日市にも開発の波が押し寄せているところだ。

 既存市街地では、19年春開業予定のJR嵯峨野線の新駅(仮称「JR七条」)ができる七条通の“しもにし”周辺や四条通をずっと西に行った阪急京都本線「西院」といったエリアに注目が集まる。

 京都大学があり学生も多く住む左京区が▲0.9%、大規模団地や市営住宅も多い伏見区と山科区は共に▲1.2%と振るわない。北区(▲2%)や東山区(▲4%)は過疎化の恐れすらある。

 こうした区部を後目に、京都市南郊で人口が増えている。2位京田辺市には、京都市営地下鉄烏丸線直通の始発駅である近鉄京都線「新田辺」と、「京橋」(大阪市城東区)まで42分というJR学研都市線「京田辺」があり、交通利便性に優れている。そのさらに南にある4位木津川市と8位精華町には木津川台や精華台、光台といったニュータウンが造られ、人気の郊外住宅地となっている。

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