橘玲の世界投資見聞録 2016年12月15日

南米の定番観光地「マチュピチュ」と「ウユニ塩湖」を
楽しむためのちょっとしたヒント
[橘玲の世界投資見聞録]

 南米旅行の定番の観光地が、ペルーのマチュピチュとボリビアのウユニ塩湖だ。せっかく現地を訪れたので、今回は旅行のためのちょっとしたTIPS(ヒント)をまとめておきたい。

 クスコ、ラパス、ウユニなどアンデス山脈の観光地を回るときにもっとも心配なのが高山病だろう。標高が高くなるにつれて気圧が下がり、血中酸素濃度が下がって頭痛や吐き気、めまいなどに襲われる。日本でも標高3000メートル級の山に登ったときに起こることがあるというが、ボリビアのラパス国際空港は標高4000メートルで、飛行機から降りたとたんに息が苦しく動悸が早くなるのがわかる。それに比べてマチュピチュは標高2400メートルでかなり楽だ。

 高山病対策は水を飲む、酒を飲まない、無理な運動をしない、などが推奨されているが決定的な方法はなく、健康でふだんスポーツをしているからといってなりにくいわけでもないらしい。青蔵鉄道でチベットのラサ(標高3600メートル)に行ったときも、中国人の乗客のなかには寝台車でぐったりしているひとがかなりいた。そのときの経験からある程度耐性はあると思っていて、実際、頭痛などはなかったものの、高地に1週間以上いるとさすがに疲れて平地に近いサンタ・クルスに着いたときはほっとした。

[参考記事]
●天空の国・ボリビアで富士山より高い標高で暮らすひとびと
 

 日本で標高3500メートル以上を体験するには富士山に登るしかないが、旅行で知り合ったドイツ人夫婦は、アルプスで高地を体験して高山病が大丈夫か確認したといっていた。個人差が大きく、若者より老人が元気だったりすることもよくあるので、事前に自分の高山病耐性を調べる機会があるといいだろう。

標高3760メートルのウユニ塩湖。塩の大地に水が張って空を映している    (Photo:©Alt Invest Com)

 

マチュピチュへの定番は、朝5時半発の日帰りコース

 マチュピチュは南米でもっとも有名な観光地のひとつで、アメリカやヨーロッパはもちろん、中間層が急激に増えているブラジルやアルゼンチンなどからもたくさんの観光客がやってくるようになった。定番のルートはクスコからの列車だが、切符を取るのが難しくなっているので、事前に旅行会社に頼んでおくほうがよさそうだ。

 一般的なのは午前5時半にクスコを出発し、午後7時半頃に戻ってくる日帰りツアーで、私もこれを利用した。この時間の列車はすぐにいっぱいになってしまうが、クスコを夕方出発し、マチュピチュ村に宿泊する日程ならツアー客を避けてのんびり観光できるだろう。

 観光の拠点となるマチュピチュ村には旅行者向けのホテルやレストランが集まっていて、遺跡はそこからシャトルバスで30分ほど。遺跡の入口にサンクチュアル・ロッジという高級ホテルがあるが、ここは早朝や夕方など、ツアー客のいないときに遺跡を観光したいひとたちが真っ先に押さえるので予約はきわめて難しいという。

 マチュピチュには1日2500人の入場規制があり、さらにワイナピチュ山(ジャンプした記念写真で有名)の入山は1日400人と決められている。個人旅行でも行けないことはないが、スペイン語が話せないとシャトルバスの乗り方などに戸惑うだろうから、やはりガイドがいたほうが安心だろう。

奇跡的に破壊をまぬがれたインカ帝国の“空中都市”マチュピチュ       (Photo:©Alt Invest Com)
クスコからマチュピチュへ向かう列車は天井もガラス張り。乗客は国際色ゆたか  (Photo:©Alt Invest Com)
マチュピチュ村にはホテル、レストラン、土産物店が集まっている      (Photo:©Alt Invest Com)
マチュピチュの棚田。インカ発祥の地とされるティティカカ湖の太陽の島にも同じ棚田があり、インカの農業技術が広く普及していたことがわかる (Photo:©Alt Invest Com)

 


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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