ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

アングル:株高と円安が「加速ゾーン」に、過熱感の強まりに警戒も

2016年12月12日

[東京 12日 ロイター] - 日経平均株価<.N225>が累積売買代金の薄いゾーンに入ってきた。戻り売りが少なくなると予想され、上昇局面では弾みがつきそうだ。ドル/円<JPY=EBS>も115円半ばを超え、テクニカル的な節目の少ない価格帯を目前にしている。日本株高と円安が連鎖する可能性もあるが、過熱感も強まりやすいだけに警戒感も出ている。

<急減する価格帯別累積出来高>

日経平均の1万9000円から2万円は、価格帯別累積出来高が少ないゾーンだ。トムソン・ロイターのデータによると、アベノミクス相場での高値2万0952円を付けた2015年6月24日以降では、1万8000円─1万9000円の価格帯は約910億株だが、1万9000円─2万円は約509億株と44%減少する。

12日の日経平均終値は1万9000円台を終値で回復し、取引時間中としては昨年12月18日以来、約1年ぶりの高値を付けた。商いもここにきて急増しており、東証1部売買代金は、3営業日連続の3兆円超え(9日はメジャーSQ)。戻り売りを吸収して、株価上昇が加速しやすい需給状況となっている。

ただ、足元では短期的な過熱感も強い。日経平均は米大統領選の開票状況を受け急落した今年11月9日終値と比べ、1カ月間で約2900円の上昇。東証1部の騰落レシオ(25日平均)は152%近くまで上昇しており、2014年6月25日以来、約2年半ぶりの高水準を付けた。

証券ジャパン・調査情報部長の大谷正之氏は「当面、過熱感を計りながらの相場となりそうだ。昨年6月頃は日経平均が2万円を超えたところで商いを伴ってもみ合った。昨年12月と同様、2万円に接近するに従い、戻り待ちの売りも見込まれる」と指摘する。 みずほ証券・シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏は、クリスマス休暇を考慮すれば、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)前が買える最終局面だとしたうえで「年内の2万円突破は至難の業。米大統領就任演説がある来年1月は、いったんポジションを手仕舞う動きも見込まれ、今年12月の高値から5─10%程度の調整もあり得る」と話す。

<ドル/円もテクニカル的な「空白地帯」に>

ドル/円もテクニカル的に節目の少ない価格帯に入ってきた。12日夕方には2月8日以来の116円を突破したが、この先のチャート上のめどは15年8月24日の安値116.15円や今年2月8日の高値117.53円がある程度。120円ちょうどまではテクニカル的な「空白地帯」となる。

今年1月29日に日銀がマイナス金利導入を決めた翌週以降の6営業日で、ドル/円は120円台から115円台に一気に下落した。「滞在時間が短く、そこで売り買いした人が少ない。そこまで来たので戻り売りという意識にはなりづらい」(国内証券)という。

米10年国債金利<US10YT=RR>は2.5%を上回り、2014年10月以来の高水準を付けた。日本の金利も上昇しているが、ファンダメンタルズ材料的にも日米金利差拡大期待を使いやすい。

投機筋には、円売りポジションの積み増し余地があるとの指摘もある。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(12月6日までの1週間)によると、円売り越しは3万3937枚。約1年前に6─7万枚に積み上がっていたことを考えれば、まだ開きがある。

ただ、投機筋がポジションを保持したまま来年を迎えるかは不透明。「積み増しペースという点では速かった。クリスマス休暇もあるので年内には調整もある得る」(邦銀)と、ドル/円の反落リスクを警戒する声も多い。

需給的には、株高・円安が強まりやすい価格帯に入ってきている。ただ、日経平均、ドル/円ともに過熱感も出ており、調整局面入りには両市場とも警戒感が強くなっているようだ。

(杉山健太郎 長田善行 編集:田巻一彦)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


ロイター発 新着ニュース

ロイター提供、日本と世界の最新ニュースをお届けします。

「ロイター発 新着ニュース」

⇒バックナンバー一覧