1日使い捨ての新商品
新ラインで年産2億枚へ

──昨年6月に株式上場した際の目標の一つでもあった新商品が発売になりました。

田中 これまでにないタイプの1日使い捨てレンズ「1DAY メニコン プレミオ」を12月1日に発売しました。シリコーンハイドロゲル素材を使用することで、酸素透過性を従来のソフトコンタクトレンズの約3倍に高め、素材特有の硬さを独自技術で軽減して非常に柔らかい着け心地を実現したものです。

 同様の素材を使用した2週間交換レンズはすでに販売していましたが、使い捨てタイプは消費枚数が桁違いに増えますから、かなりの大量生産を必要とします。そのために、専用の工場を各務原に新設し、新商品の生産拠点としました。現在は年産約4000万枚ですが、20年までに2億枚を目指します。

酸素透過性の高いシリコーンハイドロゲルは硬さがネックだったが、「1DAYメニコン プレミオ」は独自技術でハイドロゲル並みの柔らかさを実現。パッケージ底面の凸部がレンズの凹面を支え、常に内面が下になるよう工夫した。12月1日より全国のメルス加盟店にて順次発売(月額5000円/税別、入会金は別途)

──新商品には、眼科医でもある田中社長ならではの「思い入れ」が込められているとか。

田中 従来品の1日使い捨てレンズ「Magic」で実現した「スマートタッチ」というコンセプトを、パッケージに採用しました。開封時にレンズの裏表を確認する必要がなく、レンズ内側に指を触れずに装着できるのが特徴です。使い捨てであっても、これまでの製品同様に安全・快適・清潔を追求しました。

 この基本的な考え方は、いずれ業界のグローバルスタンダードになると確信しています。

──今後の目標についてお聞かせください。

田中 創業65周年を機に、商品パッケージやサービスのロゴ、ブランドデザインを「日本」「輝き」「瞳」をコンセプトとしたものに一新しました。今後も医療の進化や科学技術の可能性を追求する中で、収益基盤である「メルスプラン」をさらに拡大しつつ、動物医療、環境・バイオ事業、不妊治療などの新規事業にも力を入れていきます。海外事業についても、現在15%程度にとどまっている売上比率を高めていく予定です。これらの取り組みによって、20年に連結売上高1000億円、営業利益率10%を目指します。

「1DAYメニコン プレミオ」の生産拠点、各務原工場(岐阜県)。地盤が固い高台にあり、自然災害の被害も最小限に抑えられる。生産拡大の際は、ラインを増設できる設計

 

メニコン 田中英成代表執行役社長 インタビュー動画はこちらから

 

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株式会社メニコン
ホームページアドレス:http://www.menicon.co.jp/