経営 X 人事
なぜ職場で人が育たなくなったのか
【第23回】 2011年2月15日
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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

職場のさまざまな人が関わることで
若手は仕事の能力を向上させる

職場では、1対1の関わりのみで、若手が育っているわけではありません。1対1の若手育成は、必然的に上下関係になりますから、想像してみればお互いにかなり煮詰まりやすいことは明らかです。理想的な育成法を多くのビジネスパーソンが模索しているはずですが、まずはn対nの関係が成り立つ職場の風土をいかに醸成するかを考えてみる必要がありそうです。

「マネジャーなりたての人間のところに
新人を寄越さなくたって……」

 大手情報系企業で営業チームのマネジャーになったばかりのAさんが、やや疲れた様子で話します。

「管理職の仕事って、もう、キリがないぐらいあるんですよね」

「しかも、プレーイング・マネジャーなんだよな、きっと」

「もちろんです。数値責任も小さくない。管理職になって、ぐんとハードルが上がりましたよ」

「自分だけの成績ではなく、チーム全体の利益で評価されるわけだ」

「そうです。でも、数字を追うのは苦ではない。っていうか、いざとなったら、私ががんばって数字を上げてしまえばいいんだから。それに、やりがいがあるし、楽しいし」

「でも、仕事はそれだけじゃない」

 Aさんは36歳。会社の中では、ほぼ第一選抜と言ってよく、能力の高い人材です。

「年上の部下がいたりして、最初はどうなることかと思っていたけど、それは心配するほどのことはありませんでした。相手も大人だから、それは多少面白くないと思うことはあるかもしれませんが、表には出しません」

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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

1961年、東京都生まれ。1986年 、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属され、以後、記者として流通、家電、化学・医薬品、運輸サービスなどの各業界を担当。2000年 週刊ダイヤモンド副編集長。2006年 人材開発編集部副部長。著書に『だから若手が辞めていく』(ダイヤモンド社刊)

 


なぜ職場で人が育たなくなったのか

「なぜ職場で人が育たなくなったか」をテーマに、その背景と要因を考える。そして研究者や識者の知恵を借りながら、「職場で人が育つ方法」を提示していく。

「なぜ職場で人が育たなくなったのか」

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