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倹約は若者の美学、ミレニアル世代の消費スタイル

ロイター
2016年12月14日
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12月13日、高級ブランドになびかず、所有よりも共有に価値を見いだす新しい消費スタイルが広がっている。写真は都内で2014年12月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 13日 ロイター] - 高級ブランドになびかず、所有よりも共有に価値を見いだす新しい消費スタイルが広がっている。主役は2000年以降に成人や社会人となった20―35歳のいわゆる「ミレニアル(新千年紀)世代」だ。

 「倹約・節約はかっこいい」。そう語る日本の若者たちの意識は、消費の拡大で豊かさを実感してきた親世代とは大きな隔たりを見せている。

消費よりも貯蓄

 「ミレニアル世代」の若者たちが親世代と違うのは、日本経済の低迷のなかで生まれ、成長してきたという点だ。賃金停滞や非正規雇用の拡大、政府の膨大な財政赤字といった低成長経済の姿は、彼らにとって、いわば日常の風景でもある。さらに彼らの多くは、世界金融危機や東日本大震災といったそれまでの生活を覆すような出来事の最中で思春期を過ごし、成人を迎えた。

 「必要最低限の生活しかしたくない。これを買おう、これが欲しい、という欲がない」と語る都内の高校3年生の嶋田薫子さんの言葉は、そうしたミレニアル世代の消費意識を象徴している。嶋田さんは、仮に空から札束が降ってきても「手を付けない」と言い切る。

 米国など他の先進諸国のミレニアル世代も、消費したり、所有したりすることには消極的だ。親世代とは異なり、今の若者たちはスマートフォンを活用したクーポンや割引サービスを使いこなす。ブランド品を敬遠する一方で、車から服やバッグに至るまで様々なものを共有する。

 しかし、人口が減少し、ただでさえ市場が縮小している日本にとって、かつて高度成長期に広がった「消費は美徳」という意識とは対極にある彼らの消費性向は、経済成長の足かせとなりかねない経済問題だ。

 「(日本の若者は)『失われた20年』のなかで、人生のほとんどを経験している」と日本総研調査部の副主任研究員、下田裕介氏は指摘する。日本の若者は、他の先進国ではほとんど例のない長期の経済停滞の中で生きてきた。「これが(彼らの消費)心理に与える影響は他の国の若者と比べて大きい」と下田氏は言う。

 日本経済のデフレ脱却に向け、 安倍政権はこれまで数十兆円の経済対策を投入し、日本銀行も大量の国債購入やマイナス金利の導入など「異次元」の金融緩和に踏み込んだ。しかし、こうした積極的な政策動員にも関わらず、日本の国内総生産(GDP)の約6割を占める個人消費は力強さを欠いたままだ。

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