12月13日、世界的な金利上昇が続いている。急激な金利上昇・債券価格の下落によって、国内勢を含む世界の投資家は含み損の発生に苦しんでいるが、利回りという観点からは魅力も増している。2013年2月撮影(2016年 ロイター/Shohei Miyano)

[東京 13日 ロイター] - 世界的な金利上昇が続いている。急激な金利上昇・債券価格の下落によって、国内勢を含む世界の投資家は含み損の発生に苦しんでいるが、利回りという観点からは魅力も増している。日本の超長期債利回りが上昇するなか、生損保など日本のバイサイドは為替ヘッジ付き米国債などと天秤にかけて、投資判断を行うことになりそうだ。

超長期債VSヘッジ付米国債

「一時的な資金の置き場所として、選択肢の1つになってきた」(国内生保の運用担当者)──。日本国債はその利回りの低さから、しばらく投資の対象外となっていたが、ここにきての金利上昇で無視もできなくなってきたという。

 特に金利上昇が激しいのが超長期債だ。13日の市場で10年債利回りは0.08%とプラス幅はわずかだが、20年債は0.645%、30年債は0.805%とそれぞれ今春の水準まで一時上昇している。

 米国債の10年利回りは一時2.5%に乗ったとはいえ、ドルのヘッジコスト(3ヵ月物)が足元で1.8%程度に上がっているため、「仕上がり」は0.7%程度。日本の超長期国債の利回りとほぼ変わりない。12月米利上げがあれば、ヘッジコストはさらに上昇する可能性もある。

 ただ、依然として日本国債に積極的に投資できる利回りではないとの声も多い。住友生命の古河久人執行役常務は11月24日の決算会見で、日本国債に投資するめどとして、30年債で1%の利回りを挙げていた。

 現在、積極的に日本国債を買っているのは、為替スワップで有利に円を調達できる海外勢や、日銀オペを前提にした「日銀トレード」を行う一部の証券会社などだ。中長期資金の買い手が国内回帰にためらいを見せていることで、金利がじりじりと上昇する構図になっているとも言える。

米国債の「敗戦処理」で手一杯

 国内勢が、本格的な日本国投資に踏み切れないのは、米国債の価格急落も一因だ。「米国債投資はヘッジコストでやられ、含み損でもやられた。円債利回りは魅力的になってきているが、米国債の『敗戦処理』で精一杯」(国内中堅生保の運用担当者)という。

 米大統領選後、10年米国債の利回りは、1.7%付近から2.5%まで約0.8%ポイント上昇した。単純計算では、米国債に1兆円投資していたとすれば、700億円程度の含み損が発生する。