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焦点:米議会によるFRB改革論議、トランプ勝利で見直しも

2016年12月14日

[ニューヨーク 12日 ロイター] - ドナルド・トランプ氏が次期米大統領に決まったことで、米議会が中央銀行に対する監視を強める改革について、共和党議員と連邦準備理事会(FRB)にはそれぞれ妥協の余地が出てきたのかもしれない。

トランプ氏の大統領選勝利により、来月には共和党がホワイトハウスと上下両院を支配することになる。議会が可決する、FRBのガバナンスを見直す法案に対し、民主党のオバマ大統領は拒否権を行使してきたが、今後はそうも行かなくなる。

ただ、大統領選と同時に行われた上院議員選挙で、共和党は100議席中52議席を抑え、引き続き上院の過半数を握ったものの、選挙前から勢力は縮小。法案を成立させるには民主党議員の協力が必要だ。

共和党の中でも、FRBがでしゃばりすぎだと問題視する議員は、権限を制限することを求め、FRB改革が来年の優先課題だと指摘する。これまでFRBはかたくなに改革を拒んできたが、議員やその周辺、FRBの上級幹部への取材からは、歩み寄りの余地があることを示している。

たとえば、米下院の金融政策・貿易小委員会の委員長を務める共和党議員のホイジンガ氏は昨年、FRBの監査を強化する法案を提出。最優先で取り組む課題ではないにしても、早期対応が必要だと訴える一方、具体的な監査の内容をどうするかに関しては話し合いに応じる姿勢を示している。

ホイジンガ氏が昨年提出した法案は、物価や雇用、経済成長率に基づいて適切な政策金利の水準をはじき出す「テイラールール」のような規定をFRBに導入させる内容だ。

下院金融サービス委員会のヘンサリング委員長が支持する法案には、金融規制の緩和などと合わせて、ホイジンガ氏の提案した法案も含まれている。そのヘンサリング氏も、FRB改革を最優先課題と位置づけ、喜んで交渉に応じる構えだ。

こうした法案を可決するには、上院での圧倒的多数が必要だが、上院の共和党は現在、単純過半数にとどまり、民主党議員の支持を得るための妥協が求められる。

FRB側も議員を満足させるような代案を見つけることができるかもしれない。FRBが半期に1度議会に提出している金融政策に関する報告書の中で、よく知られた金融政策のルールを紹介し、それらに言及しながら政策の決定経緯を説明することが一案だ。

議会による監査の日程をあらかじめ決めておくことで、検討中の政策に対する議会の影響力を抑え、危機発生時のFRBの柔軟な対応を可能にすることも考えられる。

クリーブランド連邦準備銀行は今夏、よく知られた7つの金融政策の考え方をまとめ、それぞれに基づいた望ましい政策金利水準は0.14─3.08%の範囲の中にあると指摘した。こうした事例も、具体的な妥協策を探る際のヒントになるかもしれない。

下院金融政策小委のメンバーの共和党議員、フランク・ルーカス氏は、議会がFRB改革法案を通すためには「コンセンサスが必要だ」とし、そのためには、改革法案が将来の危機時にFRBの手足を縛るものではないことを上院に説明する必要があると指摘する。

ルーカス氏は、テイラールールを導入すればFRBの金融政策の柔軟性は大きく失われることへの懸念は分かるとし、ルーカス氏の事務所スタッフが現在、ホイジンガ氏が提出した法案の修正を検討しているところだと説明。ホイジンガ氏もそうした考え方に一定の理解を示しているようだ。

(Jonathan Spicer記者)

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