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日銀12月短観、景況感が1年半ぶり改善 米新政権の影響見極め

2016年12月14日

[東京 14日 ロイター] - 日銀が14日発表した12月全国企業短期経済観測調査(短観)は、大企業・製造業の業況判断DIがプラス10となり、前回9月調査から4ポイント改善した。改善は2015年6月調査以来、1年半ぶり。同非製造業はプラス18で横ばいだった。米大統領選挙でのトランプ氏勝利を受けて円安・株高が進行しているものの、企業は先行きについて慎重な姿勢を維持している。

大企業・製造業の業況判断DIは、事前の市場予想でプラス10が見込まれていた。一方、同非製造業は、1ポイント改善のプラス19とした市場予想を小幅に下回った。

<トランプ新大統領、先行き不透明感を意識>

今回の短観は、11月8日の米大統領選でのトランプ勝利を受けた円安・株高の進行が企業心理に与えている影響が注目されたが、企業は総じて、具体的な政策やその影響を見極めている段階のようだ。

調査はトランプ氏勝利後の11月14日から12月13日に行われたが、その間に為替市場ではドル/円が100円台前半から115円超に円安が進行したにもかかわらず、大企業・製造業の16年度の想定為替レートは104.90円と前回9月調査の107.92円から円高方向に修正された。

日銀幹部は、選挙前までは円高傾向が続いていたため、過去の相場を踏まえて円高方向に修正された可能性があると指摘。トランプ氏の勝利自体についても、企業からは「先行き不透明感を指摘する声が目立った」という。

先行きの業況判断DIでは、大企業・製造業がプラス8、同非製造業がプラス16。それぞれ足元から2ポイントの悪化が見込まれている。

業種別では、国際商品市況の持ち直しを反映し、大企業・製造業で石油・石炭製品や非鉄金属がそれぞれ前回調査から10ポイント以上の大幅改善となるなど中小企業を含めて素材関連の改善が目立つ。仕入価格判断DI(上昇━下落)も大企業・製造業でプラス3と7ポイント、同非製造業でプラス11と5ポイント、それぞれ上昇方向の動きとなっている。

<設備投資は予想比下振れ、「悪くない」の声も>

事業計画は16年度の売上高計画が全規模・全産業で前年比1.6%減、経常利益計画が同8.2%減にそれぞれ下方修正され、減収・減益が見込まれている。もっとも、売上高経常利益率が同4.58%と0.03%ポイント上方修正となるなど日銀では高水準を維持しているとみている。

16年度の設備投資計画は大企業・全産業で同5.5%増に下方修正となった。事前の市場では同6.1%増が見込まれていた。市場では設備投資計画について「やや予想を下回ったが、決して悪くはない」(水戸証券・ストラテジストの糸賀雅史氏)との評価がある。

短観について、みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「米国のトランプ次期政権の政策がまだ見えていないので、大幅な円安や株高についての持続性に疑問符がつくため、暫定的な評価という面がありそうだ」としている。

*内容を追加しました。

(伊藤純夫)

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