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ロイター/INSEADアジア企業景況指数、第4四半期は63に悪化

2016年12月14日

[クアラルンプール 14日 ロイター] - トムソン・ロイターがINSEADと共同実施したアジア企業景況調査によると、第4・四半期のアジア主要企業の景況感は、長引く低成長を背景に需要低迷への不安が高まり、1年ぶりの低水準となった。

主要な短期的リスクとして、米大統領選でのトランプ氏勝利などによる政局不透明感も挙げられた。

調査対象118社の向こう6カ月の景況感を示す第4・四半期のロイター/INSEADアジア企業景況指数<.TRIABS><RACSI>は63と、第3・四半期の68から低下した。景況の改善と悪化の分岐点となる50は上回った。

INSEADのアントニオ・ファタス教授(経済学)は、「景況指数の低下は過去数年の動向を裏付けるものだ。世界経済は成長しているが、最適なペースを下回っているように見える」と指摘し、「強い自信を取り戻すことは非常に難しいようだ」と述べた。

アジア企業は特に中国からの需要に依存しているが、中国では過去数年間、景気の減速が主な懸念材料となっている。

さらに、ここ数週間は政治的な懸念も浮上している。

トランプ次期米大統領は、より米国中心主義的な通商政策を掲げ、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を通告すると発言したほか、アウトソース産業などの雇用を海外から米国に回帰させると約束している。アウトソース産業はフィリピンなどで盛んだが、同国のドゥテルテ大統領は反米的な発言で知られている。

韓国では朴大統領の友人による国政介入疑惑の責任を問う弾劾訴追案が国会で可決され、インドのモディ首相は汚職対策として国内通貨流通量の86%を占める高額紙幣を廃止した。

ファタス教授はこれについて、企業は「過去2年間と同様にこうした出来事を『何とか乗り切る』か、あるいはこうした不透明な出来事がネガティブに転じて壁にぶつかるか、いずれかの可能性の下でのかじ取りを強いられると指摘した。

<オーストラリアが最も楽観的>

今回の調査は11月28─12月9日に実施。42%強の回答がポジティブな見通しを示し、中立は41%、ネガティブは16%となった。

回答に応じたのは豪トランスアーバン・グループ<TCL.AX>、印リライアンス・インダストリーズ<RELI.NS>、インドネシアのPTテレコムニカシ・インドネシア<TLKM.JK>、アサヒグループホールディングス<2502.T>、韓国航空宇宙産業(KAI)<047810.KS>、フィリピン・ナショナル・バンク<PNB.PS>など。

オーストラリアの指数が86と、第3・四半期から2ポイント低下したものの、国別で最も楽観的だった。シンガポールは46と、第3・四半期の38から改善したが、国別で唯一ネガティブとなった。

フィリピンは94から70に低下し、最も大幅な落ち込みを記録。統計開始後7年間の同国の平均である91を下回った。

中国も90から80に、インドは75から70に、タイは72から60に、それぞれ低下した。一方、韓国は政局混乱にもかかわらず50から57に上昇した。

タイのホテル・外食大手マイナー・インターナショナル<MINT.BK>のウィリアム・ハイネキ最高経営責任者(CEO)は「タイを除き、オーストラリアや中国、シンガポールを含むアジア太平洋の主要市場では短期的に経済成長の鈍化を見込む」と述べた。

同氏はその上で、世界の観光業は現在の環境で底堅さを維持し、主要市場の小売食品サービス産業は安定するとの見方を示した。

業種別では小売・娯楽が56と、第3・四半期の68から低下。家計・食品・飲料は72から79に上昇し、最も楽観的となった。一方、自動車は40と最も悲観的で、第3・四半期の60から低下した。

*調査対象企業は前回調査から変更されている可能性がある。

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