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吉田恒のデータが語る為替の法則

エジプトと米ドル高をつなぐ「点と線」。
最大のリスクは第5次中東戦争だ!

吉田 恒
【第119回】 2011年2月16日
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 いよいよ、米ドルは対円においてもレンジ上放れの様相となってきました。そして、ユーロ/米ドルも「米ドル高・ユーロ安」に振れています。

 私は、米国の金利とユーロがカギとなって、目先では米ドル高が進むと考えてきましたが、そのような舞台が整った1つのきっかけが歴史的なエジプトの混乱だったと見ています(「『逆張りの2月』に米ドル高は進むのか?そのカギは米金利とユーロが握っている!」を参照)。

ユーロ高が進むには限界があると見ているワケは?

 1月後半以降、ユーロ/米ドルは「ユーロ安」から「ユーロ高」へと転換し、一時は1.38ドルまで「ユーロ高」が進みましたが、私は1.38ドルを大きく超えるような「ユーロ高」になるとは考えていません。

 今のユーロは「売られ過ぎ」や「下がり過ぎ」の修正でユーロ高になることはあっても、積極的にユーロ高がどんどん進むのは難しいと思っているのです。

 「資料1」はユーロのポジションですが、これを見ると、ユーロが「売り越し」から「買い越し」へと急転換していたことがわかるでしょう。

 この間の「ユーロ高」は買い戻しによって進んだのですが、ユーロ買いのリスクを積極的にとっていく状況ではないため、ユーロ高が一巡したということなのでしょう。

資料1

 それでは、なぜ、ユーロ買いのリスクを積極的にとる動きにならないのでしょうか?

 そのいちばんの理由は、昨年ユーロ危機が広がった中で、さかんに指摘された欧州の財政不安、ソブリン問題です。

 「資料2」をご覧ください。欧州の信用は、ひと頃に比べると改善しましたが、それでもまだ1年前の水準回復にはほど遠い状況です。

資料2

 一方、米国は1年前の信用水準をほぼ回復しました。欧米の信用水準は「米国 > 欧州」の差が拡大したことになります。

 この観点から見るかぎり、積極的に「米ドル売り・ユーロ買い」のリスクを拡大させる動きになるとは思えません。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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