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カジノ法案成立、依存症対策など具体的な制度設計へ

2016年12月15日

[東京 15日 ロイター] - カジノを含む統合型リゾート(IR)を解禁する法案(IR推進法案)は15日、前日の参院本会議に続き、衆院本会議で可決され、成立した。政府は、規制や依存症対策などの具体的な制度設計を盛り込んだ「IR実施法案」を1年以内に国会に提出する作業に入る。

推進法案は議員立法だったため、カジノ運営に一部議員が難色を示した公明党は、自主投票を行った。しかし、実施法案は政府提出の法案となるため、公明党が連立パートナーである自民党と歩調を合わせられるかも焦点となる。

14日の参院本会議は、議長不信任案が提出されたのを受け、予定より遅れてスタートの後、IR推進法案は賛成多数で可決。衆院本会議に送られ、会期を17日まで3日間延長する案が可決された後、IR推進法案は、自民党を中心とする賛成多数で15日未明、可決、成立した。同時に提出された安倍内閣への不信任決議案は否決された。

<カジノ、運営開始されれば名目GDPを0.2%押し上げも>

IRの経済効果には様々な試算がある。大和総研は、大都市型のカジノと地方都市型のIRが、たとえば大阪、横浜、北海道の3カ所でスタートした場合、経済効果(雇用者所得や営業利益などの合計)は年間1兆1400億円で、名目経済成長率(GDP)の0.2%に当たるとの試算を示している。

IRの運営が始まる前の、各施設の建設段階では、累計5兆0500億円が見込めると試算する。

賛成派は、こうした経済効果のほか、観光誘致や地方都市の税収の増加を強調する。米カジノ運営のMGMリゾーツ・インターナショナル<MGM.N>のジェームス・ムーレン会長・最高経営責任者(CEO)はロイターとのインタビューで、投資規模が5000億円から1兆円になるとの見通しを示していた。

一方、反対派は、すでにある公営ギャンブルの依存症対策が手つかずの状態で、カジノを解禁すると、さらに依存症の拡大につながると懸念を示す。

参院の審議の中で静岡大学の鳥畑与一教授は、IRの運営が認められれば「(周辺の)商店街などは収益の減少のほか、犯罪の増加が懸念される」などと訴えた。

菅義偉官房長官は「政府として正確な実態把握につとめながらしっかり対応していく」と述べ、国として予算をつけ、依存症対策の検証と対策を行う方針を示した。

IRの建設には通常2─3年を要するとされる。実施法案が成立した後に場所や参画企業の選定を経ると、第1号の開設は早くても2022年か23年になると関係者はみている。

(江本恵美 編集:高木匠)

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