12月13日、トランプ次期米大統領(写真)は就任後に態度を改めるどころか、当初考えられていたより遥かに分裂をもたらす政策を実行しそうだ──。欧州当局者らは日に日にこうした懸念を募らせている。ウィスコンシン州で撮影(2016年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ベルリン 13日 ロイター] - トランプ次期米大統領は就任後に態度を改めるどころか、当初考えられていたより遥かに分裂をもたらす政策を実行しそうだ──。欧州当局者らは日に日にこうした懸念を募らせている。

 メルケル・ドイツ首相のホイスゲン顧問(外交担当)は先月末、ベルリンの会合で、大統領就任という現実に直面すればトランプ氏も姿勢を変えざるを得ないと語った。トランプ氏は主要閣僚に共和党主流派のロムニー氏などの起用も検討しており、「心強い」と。

 その2週間後、トランプ氏が「大統領モード」に転じるとの期待は去り、代わって新たな懸念が持ち上がっている。

 トランプ氏は環境保護局(EPA)長官に地球温暖化に懐疑的な人物を指名、台湾を巡って中国と対立、複数のゴールドマン・サックス出身者を主要ポストに起用した。

 こうした姿勢を見る限り、欧州は対ロシア政策からイランの核問題、自由貿易、気候変動に至るまで、幅広い論点を巡り米政府と対立を余儀なくされる恐れがある。場合によってはEU統合もその中に入ってくるかもしれない。

 当地のムードを探ろうと最近ワシントンを訪れた西欧の上席外交官は「一貫性のある政策が打ち出されるというより、その逆になるであろうことが日ごとにはっきりしてきた」と断言。「どこから見ても分裂的だ。トランプ氏がどの分野について、どのような方法で分裂を引き起こすことになるかは誰にも分からない。しかしわれわれは、トランプ氏とはそういう(分裂の好きな)人物であり、それが彼の戦略の一部だとの見方に至りつつある」と述べた。

人事が二転三転

 欧州当局者らを混乱させている一因は、トランプ氏の組閣作業の二転三転ぶりだ。ロムニー氏のような人物と会談したかと思えば、数日後には別の候補者が浮上する。

 諸外国にとって最も重要な人事は、13日に発表された米石油大手エクソンモービルの会長兼最高経営責任者(CEO)ティラーソン氏の国務長官への指名だった。ロムニー氏らの候補者を抑えての起用となった。

 この人事は様々な反応を引き起こした。欧州当局者からは、ティラーソン氏とロシアおよびプーチン・ロシア大統領との親密な関係を懸念する声が聞かれる一方、国際経験豊かな大企業トップの就任は心強いとの見方もある。