波動の癖や習慣を示す「感情の現在地点」

 ある思考に焦点を当て続けると、引き寄せの法則によってそれに似た思考がどんどん湧いてくるため、そこに集中し続けるのが楽になっていきます。
 そのため感情に関して、あなたは、ある気分もしくは態度を身につけます。
 波動に関しては、習慣的な波動の癖のようなものを獲得していきます。それが「感情の現在地点」です。

 自分の経験に何を招き入れているかは気分が教えてくれます。何かに関する気分、すなわち総体的な感じ方には、これまでに放ってきた波動がはっきりと示されます。

 たとえば子どもの頃、親が貧しかったとしましょう。
 お金がなく、欲しい物が買えない状況が家庭でたびたび話し合われ、そのたびにあなたは不安になりました。あなたが何かねだると「お金は木になるわけじゃない」「欲しければ何でも手に入ると思うな」などと諭されました。
 このような「ない」という思考に長年さらされていると、お金という対象にまつわる思考の習慣、“感情の現在地点”は経済的な成功への期待が低くなるのです。
 そのため、お金や豊かさについて考えるたびに、ただちに気分や態度が失望、心配、怒りに変わるようになります。

 あるいは、子どもの頃、友人のお母さんが交通事故に遭って助からず、そんなつらい経験をした人と親しくしていたことで、自分の両親にも同様の不安を抱くようになりました。
 親が車で出かけるたびに、無事に戻るまで不安で仕方がありません。そうして大切な人を案じるという習慣を身につけていきます。この場合のあなたの“感情の現在地点”は不安です。

感情の現在地点は
自分でコントロールできる

“感情の現在地点”は、いい気分で安定している状態から、気分の悪い不安定な状態に変わることがあります。逆に、いやな気分からいい気分に変わることもあります。
 なぜなら感情の現在地点は、対象に関心を向け、思考するだけで達成されるからです。

 ところが、たいていの人は意図的に思考せず、思考が周囲の出来事に振り回されるにまかせています。何か起きるとそれに反応して感情が湧いてきます。彼らはたいてい、自分には周囲の出来事をコントロールする力はないと感じており、観察した対象に反応して湧く感情はコントロールできないと結論づけています。

 あなたの感情の現在地点はコントロールできることを理解してください。また、自分の感情の現在地点を意図的に変える価値を理解してください。

 感情はあなたがたった今、何を引き寄せているかを示します。選択した思考が望む方向にあなたを運んでいないことを感情が教えようとしているなら、気分のいい思考を選んで、本来のつながりを取り戻しましょう。