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日銀は景気判断上げ検討、緩和効果議論 世界的金利上昇の中で 

2016年12月16日

[東京 16日 ロイター] - 日銀は19、20日の金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利(10年国債利回り)をゼロ%程度などとする現行の金融政策の維持を決める見通し。海外経済の改善を背景に輸出・生産のほか、個人消費も持ち直しており、景気判断の引き上げを検討する。会合では米国を中心に世界的に金利が上昇基調にある中で、イールドカーブ・コントロール(YCC)政策の緩和効果などが議論になりそうだ。

日銀内では、今年の夏場ごろからこれまで重しとなっていたアジアを中心とした新興国経済は底を打ったとの見方が大勢を占めている。

世界経済の回復を背景に、日本の輸出・生産も好調に推移。14日発表した12月日銀短観では大企業・製造業の景況感が1年半ぶりに改善した。

これまで天候要因などで低調な動きになっていた個人消費にも明るさが見え始め、最近の株高を受けて消費者マインドの改善持続も期待できる状況になっている。

このため会合では、海外経済を中心に、「新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けている」との現行景気判断を引き上げる方向で議論が行われる可能性が大きい。

一方、物価情勢については、10月の消費者物価指数(生鮮食品除く、コアCPI)が前年比0.4%下落となり、引き続きマイナス圏での推移が続いている。

ただ、先行きは原油価格下落の影響はく落に伴って上昇に転じることが確実。原油価格の上昇や米大統領選後の円安進行も物価を支援する。

もっとも、日銀が掲げる2%の物価安定目標の達成が不透明な状況に変わりはなく、YCC政策が順調に機能しているとの認識の下で、金融政策は短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する目標を維持する見通しだ。

米大統領選でのトランプ氏勝利を受け、減税やインフラ投資などの財政拡大期待から米国を中心に世界的に金利が上昇する展開になっている。

日本の長期金利にも上昇圧力がかかっているが、日銀では現在の長期金利上昇は米金利に連動した面が強く、日本の経済・物価の改善が主導しているわけではないと認識。長期金利のゼロ%程度維持に全力を注ぐ構え。

先行きの日本経済は着実な回復を続け、予想物価上昇率など物価の基調も上昇に転じるとみているが、しばらくは長期金利上昇を抑制することで金融緩和効果を強めることを優先する。次回会合でもYCC政策が経済・物価情勢に及ぼしている緩和効果を入念に点検するとみられる。

また、来年3月末に貸出増加支援と成長基盤強化支援のための貸出支援制度が受付期限を迎える。日銀では、金融機関の積極的な取り組みを促すことで、緩和的な金融環境を実体経済に波及させることが引き続き重要とみており、両制度の延長を今回もしくは、次回の1月末の金融政策決定会合で決める見通し。

(伊藤純夫 竹本能文 編集:田巻一彦)

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