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献魂逸滴 極上の日本酒を求めて

好きなだけ、気兼ねなく酒を利ける
大阪発「有料試飲」システムを検証する

柳 紀久夫
【第24回】 2011年2月18日
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 試飲は、実際に味を確認することで自らの嗜好やイメージに合致した酒を購入するために最も有効な手段であると考える。

 本欄の第7回でも取り上げたように、販売店側からの一方的な情報発信をそのまま受け止めて酒を選別するというプロセスは極力避けたい。

 といっても、店側にしてみれば客に試飲をさせるためには大事な商品を開封し、コスト負担を強いられることになる。また、万が一にもクルマで来店した客に酒を勧めて事故に至ろうものなら飲酒運転幇助行為とみなされ厳しい罰則が適応される。これでは積極的に試飲を行っている店が少ないのも無理からぬ話かもしれない。

 しかし、顧客は商品を購入してくれる客であり、顧客にとっての価値とは「商品の特性・優位性を口頭あるいは文面で詳細に伝えられる」よりも「嗜好・イメージを反映した複数の候補の中からテイスティングを勧められる」ことによって試飲を実践し、最適と思われる1本を選択することではないだろうか。

 試し飲みである以上、量は口に含む程度(15ml前後)で構わない。しかし、より多くのラインナップの中から選びたい。あるいは、もう少し味わいたいという要請もあるだろう。

 そうしたニーズに応えたのが「有料試飲」ではないだろうか。

 有料試飲は、酒を提供する側の負担を軽減する一方、消費する側は酒を(購入することを前提に)できるだけ安価に供給してもらえ、なおかつ店側に遠慮せずに納得が行くまで酒を利けるという、双方にとってWIN-WINのシステムだと思うのである。

 清く正しい日本酒ファンの気持ちを代弁すれば、たとえば3000円(1.8L)前後の酒なら300円(90ml)以下で、6000円前後(1.8L)の高級酒でも60mlグラスに替えて400円以下で提供してもらえるとありがたい。

「有料試飲」をネットで検索
最上位に登場したバーの実情

 では、「有料試飲」というキーワードが検索エンジンでどれだけヒットし、どういう情報が浮かび上がってくるものかとググッてみた。

 ヒット数は約11万3000件。最上位に来たのが「昨年7月に大手酒販店が麻布十番の店舗で有料試飲バーを開始」というニュースだった。

 バーカウンターは年中無休、オープンは16時~21時(平日。土・日・祝日は11時~)というので足を運んだ。

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柳 紀久夫

1956年、東京・神田に生まれる。元「週刊ダイヤモンド」編集委員。大学在学中に日本酒に開眼。以来、酒屋放浪では飽き足らず、日本酒を媒介にしたネットワーク作りや日本酒イベントの発起、取材に便乗しての全国地酒探訪に注力。週末はひたすら極上の日本酒を求めて各地の酒販店・酒蔵を巡る。


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